劇場公開日 1969年2月1日

「天才軍師・山本勘助、その波乱の生涯!」風林火山 syu32さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0天才軍師・山本勘助、その波乱の生涯!

2019年2月3日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

楽しい

興奮

 DVDで鑑賞。

 三船敏郎、中村錦之助、石原裕次郎…三大銀幕スター競演で贈る時代劇超大作です。
 勇壮とはこのことを言うんだな、と…。まさに絢爛豪華な映画でした!

 武田信玄(中村錦之助)、上杉謙信(石原裕次郎)の両雄が激突する川中島の戦いなどの合戦シーンの迫力も去ることながら、豪華過ぎる演者同士の演技対決が凄まじい熱量だなと圧巻の一言でした。どのシーンを切り取ってもすごいものばかり…。何本分もの映画を観たような気がして来ました。

 山本勘助は三船敏郎が演じているだけあって貫禄があり、理知に長けた天才軍師を見事に演じ切っているように思いました。目の上に傷はありましたが、史実の山本勘助は眼帯をしていたような…。三船がしたくなかったのかしら?(笑)
 彼と、由布姫(佐久間良子)、信玄を交えた微妙な三角関係は、男女の機微の繊細さと戦国乱世に翻弄された人々の運命を垣間見るようで、めちゃくちゃ胸に迫って来ました。

 勘助の目の冴えるような軍略・謀略の数々。
 彼の深過ぎる知性を自らの覇道に活用する信玄。
 ふたりが出会った後の武田家の快進撃はまさに破竹の勢い。戦国の風雲を搔き乱しました。
 クライマックスでの勘助の策が外れてしまう場面は、“策士策に溺れる”的な衝撃があり、知っていてもやるせなさと運命の流転に想いを馳せました…。その後の勘助の行動は言わずもがな。気持ちは分かるけれども、どうか行かないで欲しかったなぁ、と…。
 もし川中島で勘助が死なず、間も無く信玄が死ななかったら、この戦国最強のコンビが天下を取っていたのではないかなと思わされました…。

しゅうへい