劇場公開日 2021年7月9日

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「このチープさが1番怖い 。」ヒルコ 妖怪ハンター ジョイ☮ JOY86式。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5このチープさが1番怖い 。

2023年12月29日
iPhoneアプリから投稿

学校を舞台にした原作物のホラー作品。
その中身は、塚本晋也によるエイリアン2+遊星からの物体Xだった。

舞台は外界と遮断された無人の学校。
主人公2人は、センサーの鳴動を頼りに暗闇の中に潜む化け物を探す。
鳴動が早まる。
そこにいたのは人間の顔から昆虫の足を生やしたおぞましい化け物だった。

このシチュエーション。
どこぞの怪談だったらネタとして見れるだろう。
でもこの映画、なにせ造形も演出も本気で怖いのだ。
だから映画として緊張感があって面白い。

間違いなく監督は遊星からの物体Xを本気でやりたかったんだろう。
人面蜘蛛の動きと造形、人間の頭部が分離するシーンのこだわりも尋常ではない。

更にシチュエーションはまさにエイリアン2だ。ここに更に和ホラーな要素が混ざり合っておどろおどろしさも増している。

低予算ながら、今見ても楽しめるエンタメホラー作品に仕上がってるのは流石だ。
同時代のゼイラムといい、この時代の作品は低予算でも果敢にハリウッドに挑んでいるのがまた良いのだ。

ジョイ☮ JOY86式。
ジョイ☮ JOY86式。さんのコメント
2024年1月3日

和製モンスターパニック映画として非常にハイクオリティに感じました。ちゃんと怖くてちゃんと面白い。こういう作品って中々ないんですよね。塚本作品は野火や斬!か好きでしたが、こういったテイストの新作も見てみたくなりました。

ジョイ☮ JOY86式。
林隆之さんのコメント
2024年1月1日

当時リアルタイムで見たオジサンです。
原作漫画とはまるで違うけど、ヒルコの造形の怖さ、人の頭に寄生して脚を生やして分離する不気味な演出、分離した頭が湖に浮かんで透明感の有る歌を歌う美しくも不気味なシーン、主演の沢田研二氏のコミカルさと妻を亡くした男の哀切な心情を同居させた演技と見所一杯な作品でした。

林隆之