劇場公開日 1962年1月3日

「老人ホームを抜け出した沢田くみ(北林)はどら焼きを盗んだと疑われたためだった!?」喜劇 にっぽんのお婆あちゃん kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0老人ホームを抜け出した沢田くみ(北林)はどら焼きを盗んだと疑われたためだった!?

2019年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 橋幸夫の“木曽ぶし三度笠”も全編通じて意味を成してくる。なぜこれが「喜劇」なの?とずっと疑問に思いつつ観ていたが、山本伸也氏の解説により理解できた。全然笑えないどころか、高齢化社会の歪みなど、シニカルに描いたところが多いのだ。強烈なブラックユーモアもあった。自殺を考えてるくみとサト(ミヤコ)が道路に飛び出して車にひかれようと考えた直後の出来事で、昼間に仲良く語り合っていた化粧品セールスマンの木村功が車に撥ねられて即死だった場面。人間の命なんてわからないもの・・・当時はまだ“交通戦争”と呼ばれていた時代でもあり、日常茶飯事だったことなのだろう。

 サトの息子(渡辺文雄)夫婦がサトの持っていた金20万円を使い切っていたこともかなり強烈な風刺。今で言えば100万円くらいだろう。

kossy