劇場公開日 1954年9月14日

「おなご先生」二十四の瞳(1954) kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0おなご先生

2021年3月3日
PCから投稿

 映画を観て初めて泣いたのがこの作品だった。何故か小学校のときの先生が授業中に見せてくれた。‘アカ’って何?と誰かが質問したような記憶もある。当時はこれが反戦映画、反戦小説だと気付かずに、単なる牧歌的な学園ドラマとしか思っていなかったのだが、歴史を学ぶにつれて徐々にその価値を理解していったものでした。子供にとっても前半の先生の家に押しかけるシーンでは泣いてしまった。

 高峰秀子演ずる大石先生が純粋すぎるため、「戦争反対」を口にしなくても生徒を戦争に送り出したくないという気持ちに心打たれました。生徒の一人まっちゃんも重要で、修学旅行中に偶然先生と出会ったり、終盤復職した先生のクラスにも・・・という映画ならではの偶然性に涙してしまいます。また、全体を通して貧困な家庭や庶民性を前面に出したため、平和を強く求めた作者の想いが嫌味なく伝わります。

邦画のオールタイムベスト上位

kossy