劇場公開日 1994年4月9日

「カメラのガキが腹たつ」夏の庭 The Friends Kjさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0カメラのガキが腹たつ

2017年1月30日
iPhoneアプリから投稿

見逃していた相米映画。BSで鑑賞。小説は未読。正直なところ、普通に良い話にできるストーリーだが、所々にエッジが効いた演出が入り、必要以上に緊迫感が増し、生死の明暗を際立たせている。
病院に迷うシーンのホラー感、プールに沈む山下、最後の廃屋へと化す演出など。特に台風の中窓ガラスに映り込む子供達の顔は素晴らしい絵である。
あまりにも荒さが目立つ子供達の演技に対し、三國の台詞回しのうまさが目立つ。戸田菜穂が三國に食ってかかるシーンは、極端にストレートで良い。一方で、子供達の成長は演技からあまり感じられない。成長している展開のはずで、この話の一方の軸のはずだが。親の離婚に傷付くメガネはどうなったのか?
相米慎二の意図が計りかねる所である。三國と淡島の話に収束して子供は脇に追いやられたように感じられた。
最後のZARDは心底がっかり。クラシックギターの美しい音色が飾った映画を台無しにしている。大人の世界のゴリ押しにウンザリさせられる。

Kj