劇場公開日 1966年12月10日

「大魔神シリーズ打ち切りはクォリティーダウンが原因ではありません」大魔神逆襲 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5大魔神シリーズ打ち切りはクォリティーダウンが原因ではありません

2020年3月22日
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鑑賞方法:DVD/BD

大魔神シリーズ第三作

第一作 大魔神 1966年4月 安田公義監督
併映 大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン
第二作 大魔神怒る 同年8月 三隅研次監督
併映 座頭市海を渡る
第三作 大魔神逆襲 同年12月 森一生監督
併映 無し 冬休み前に公開終了

たった1年で三作も公開すればさすがにあきます
内容的にもパターンが固定されるので二作目にしてマンネリ感が有ります
如何に第一作がヒットして好評であったとしてもこれではコンテンツの消費が激しいと言わざるを得ません

大魔神シリーズは一年に三作も製作されてクォリティーダウンが激しく、第三作で打ち切りとなったとの記述を良く目にします

しかしシリーズ三作を全作観た人ならクォリティーのダウンが原因ではないと断言できるはずです

真の原因は調子にのって短期間に連続して製作したことです

これではどんな良コンテンツであっても、消耗してしまうのは当然です

大魔神シリーズの監督はそうそうたる名監督ばかりですが、これではいかな名監督でも流石に長く続けるシリーズにはできない相談というものです

本作の森一生監督も傑作の多い名監督です

本作では子供がメインに据えられていますが、それは単に子供だましでお茶を濁そうとしたいい加減な製作態度ではなく、森監督なりの新味を出すための工夫だったのです

村の子供4人の冒険はスタンドバイミーを思わせます

子供のリーダーはマグマ大使のガム少年です!
どうりでどこかで視た話し方だと思いました
本作に出演の為にマグマ大使のガム役が一時的に交代したそうです
長年の疑問が解けました

結局、大魔神シリーズは本作で終了して良かったのかも知れません
これ以上続けていれば、本当にクォリティーダウンになっていたはずです

大映の京都撮影所の特撮映画は、これ以降妖怪映画に活路を見いだす事になります

あき240