劇場公開日 1962年9月16日

「武家社会の終焉」切腹 talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0武家社会の終焉

2022年10月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

千々岩求女(石浜朗)に対しては、彼には本当は死ぬ気などないことを承知の上で、竹光で腹を切らせるという無茶をさせてしまったのは、ご多分に漏れず、井伊家側の台所事情も、決して富裕ではなかったからなのだと思います(それだけに、切腹を口実に金員を強請ろうと押しかける食い詰め浪人には業を煮やしていた)。
津雲半四郎(仲代達矢)に、その点を問い詰められたときの、斎藤勘解由(三國連太郎)の苦悶の表情が、そのことを雄弁に物語っていたと思います。
しかし、結局、本件の顛末は…。
終焉を迎えようとしていた武家社会の、断末魔の苦しみを描いて余りある一本でした。評論子には。

talkie
talkieさんのコメント
2023年12月16日

momokichiさん、コメントありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。

talkie
momokichiさんのコメント
2023年12月4日

>終焉を迎えようとしていた武家社会の、断末魔の苦しみ

核心をついた表現力に感銘しました。

momokichi