劇場公開日 1966年7月9日

「扇千景さんを偲んで」昭和残侠伝 一匹狼 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5扇千景さんを偲んで

2023年3月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

楽しい

興奮

扇千景さん
2023年3月9日食道胃接合部癌のため東京都内の病院で89歳で他界
俳優というより大臣や議長も務めた保守系の国会議員って印象が強いですね
保守系だったけどあまり左翼系マスコミや左翼系知識人に叩かれた記憶はなかったな
そういう人たちも扇千景ファンが多かったのかな
今回初めて扇千景さんのお芝居を鑑賞しました
改めて合掌

監督は『望みなきに非ず』の佐伯清
脚本は『真田幸村の謀略』の松本功と『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の山本英明

親にもらった大事な肌を
入墨(すみ)で汚して白刃の下で
積もり重ねた不幸の数を
何と詫びよかおふくろに
背中(せな)で泣いてる唐獅子牡丹

昭和初期銚子に近い千葉の漁港ではマグロ漁の儲けを独占しようと目論む新参者の川銀一家がのさばっていた
綱元浜田の後ろ盾をしている古参の潮政一家は川銀一家と対立していた
潮政の親分の娘を届けに来た縁で客人として草鞋を履くことになった武井繁次郎は川銀一家の客人となっていた桂木竜三に出会う
竜三は刺客としてかつて繁次郎が入っていた組の親分を殺した仇だった

残侠シリーズ3弾
昭和30年代の東映は時代劇全盛
昭和40年代からはヤクザ映画全盛
伸び悩んでいた高倉健はその頃からスターになった

ヤクザ映画のため主要な登場人物が次々と死ぬ
このシリーズは助演の池部良が毎回死ぬらしい
東映の娯楽映画は単純明快でわかりやすい

武井と桂木が組んで川銀一家をやっつけるクライマックスの殺陣のシーンが最大の見せ場

殺された親分の仇を討つため敵対する組の組長を殺害し服役していた武井繁次郎に高倉健
刺客として武井の親分の殺害した桂木竜三に池部良
竜三の妹で小料理屋を営む桂木美恵に藤純子
家出した政太郎の娘で若くして病死する秋津加代に扇千景
加代と結婚するはずだった綱元浜徳の若旦那の浜田勇吉に御木本伸介
武井の元子分で堅気となり五月の一座で下働きしている弁慶松に小島慶四郎
政太郎の子分のホラ留に潮健児
旅回りの舞台役者で座長の五月不二子に雪代敬子
劇場主の本間昌作に中村竹弥
川銀一家の親分川崎銀五郎に河津清三郎
潮政一家の親分の秋津政太郎に島田正吾

野川新栄