劇場公開日 1967年5月27日

「小林正樹監督、橋本忍脚本 恐るべき傑作です 星5つでは足りません」上意討ち 拝領妻始末 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0小林正樹監督、橋本忍脚本 恐るべき傑作です 星5つでは足りません

2022年1月18日
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鑑賞方法:DVD/BD

惚れ惚れするようなとはこれのこと
するすると淀みなく展開される物語
無駄というものが一切ありません
余計なシーンもカットもセリフもまるでないのです
そんなものはすべて削ぎ落とされています
例えるなら体脂肪率一桁ぐらい
贅肉は一切ないのです
あるのは筋肉たる監督の演出と、その支配下の演技のみ
漫然と撮っているようなものはワンカットも存在しないのです

全編に緊張感がみなぎっており、集中力が途切れるシーンもまた皆無なのです

なので、私達観客の映画体験は濃密なものになるのです
圧倒的な映画体験です

冒頭の試し切りのシーンが、ラストシーンを予告しているなど構成の妙も鮮やかなこと

映画の面白さ、演出の巧みさ、演技の的確さ
テーマの気高さ
それでいて時代劇としての娯楽性もまた高くあるのです
何もかも文句のつけようがありません

直接的に関わった皆が死ぬ凄惨な結末
しかしそれでも二人に愛があったから新しい命が残されたのです
怨みをその子に託すのではなく、本当の愛を得ろと言い残す伊三郎の台詞
そこに巨大な感動があります

現代人の方が、江戸時代の侍よりがんじがらめになって生きているかもしれません
本作が製作された55年前も21世紀でも変わらぬ普遍性を持っているのです

小林正樹監督、橋本忍脚本
恐るべき傑作です
星5つでは足りません

あき240