劇場公開日 2021年12月4日

「金がないから体で払う?」十九歳の地図 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0金がないから体で払う?

2019年1月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 いつも吠えられていた犬を軒下にぶら下げる。脅迫まがいのイタズラ電話。鬱憤をはらすためとはいえ、鬱屈した19歳。同じく住み込みで働く紺野(蟹江)に誘われ、女子高生に声をかける。彼は“かさぶただらけのマリア様”と崇める情婦(沖山)とときどき寝ているのだが、彼女の男は紺野だけではない。脚に大きな傷があるマリアはビルの8階から飛び降り自殺を図ったことがあるという。

 吉岡は新聞仲間からも“童貞”だと蔑まれたりして、予備校にもまともに通ってない。新聞配達員が低く見られることから鬱屈はつのり、イタズラ電話もエスカレートする。地図作りも手の込んだものとなっていくのだ・・・

 そんな折、借金まみれの紺野は八百屋に押し入り、強盗犯として逮捕される。中途半端な刺青をしている紺野に対し行為を抱いていた吉岡はマリアを責める。

 リアルな新聞青年の姿。牛乳を盗むのは当たり前のことのように描かれているが、こんな映画を見せられると、新聞奨学生にならなくてよかったとホッとしてしまう。年代を見ても、同じ世代だもん。それにしても、単に嫌がらせされただけでなく、親切にお茶を出してくれる家庭であっても“偽善者”として×印をつけてゆく吉岡。鬱屈しすぎ・・・

 タクシー運転手(柳家小三治)が「最後に拾った女が金がないから体で払うと言って、いただいちゃったよ」と言ってた。GPSのついてる現代じゃありえない話。あったら、即クビ。

kossy