劇場公開日 1975年6月21日

「またトラックに轢かれてしまったか・・・」資金源強奪 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5またトラックに轢かれてしまったか・・・

2020年7月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 笑いもあり、緊張感が途切れることなく、突っ走る強盗アクション。カタギになる!などと言いつつ、結局は古巣である暴力団が開いた賭場荒らしを計画する北大路欣也演ずる清元武司。相棒には川谷拓三のテツとおっさんこと室田日出男だ。自家製催涙弾やアクアラング、モーターボートを駆使して、まんまと賭場の金3億5千万円を奪ってしまう。

 情婦(太地喜和子)や兄貴分との確執もあり、暴力団が犯人を捜すために停職中の刑事・能代文明(梅宮辰夫)を雇うのだ。文明は残された証拠からあっという間にテツを割り出し、ぐーたら刑事ではないことを見せつけてくれるし、その後のテツの処遇も見事な展開。さらに、わざとじゃないかと思うほど仲間割れを誘発しながら、誰が最後に残るねん!と、ハラハラ。

 松方弘樹も特別出演しているが、彼はスケベなおっさん役。山城新伍のギャグも冴えているし、当時のヤクザ映画スターの演技力は見ものだ。

 深作欣二監督が仁義なき戦いシリーズの合間に量産した作品の一つではあるが、大部屋出身の川谷拓三の出世作とも言える。冒頭と最後に刑法の条文のテロップも流されるが、それに反発する意味でタイトルクレジットには「ふかさくきんじ」と平仮名にしてあるのも面白い。まぁ、突っ込みどころも多い中、最後の刑法の条文に時効について書かれているけど、海外に逃亡したら時効は中断されますから・・・

kossy