五番町夕霧楼(1963)のレビュー・感想・評価
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日本的叙情映画。一歩間違うと「お涙頂戴映画」だ。
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田坂具隆監督の晩年の名作。NHKBS放送で、最後のシーンだけ観ている。一度全編を観たく、レンタルで借りてきた。
北陸の寒村から、家族のために京都の遊廓で働くこととなった薄幸の女性の物語。タイトルのように、一歩間違うと「お涙頂戴映画」になりそうだが、踏み止まった名作だ。佐久間良子もいいが、それ以上に遊廓を経営する木暮実千代がいい。
赤い百日紅の花が何度も描写される。これは結核で亡くなる主人公の吐血を連想させる。また、修行僧への恋心(情熱)の象徴だろう。
残念ながら、音楽がまずい。音楽担当は佐藤勝だが、いかにもお涙頂戴の音楽だ。
私は売春防止法施行後に生まれた。遊廓を知らないので、少し勉強になった。
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