劇場公開日 1978年9月23日

「古き良き日本映画。」皇帝のいない八月 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5古き良き日本映画。

2017年3月17日
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鑑賞方法:DVD/BD

興奮

知的

先日逝去した渡瀬恒彦主演の1978年、山本薩夫監督作品。

陸上自衛隊のある部隊がクーデターを企てる。
このワンプロットで2時間20分を突っ走る。

物語を牽引するのは、主演の渡瀬恒彦、ではなくて、陸上幕僚監部警務部長の三國連太郎である。これに内閣調査官の高橋悦史がからむ。

渡瀬恒彦扮する藤崎の考え方にはまったく同調できないが、渡瀬恒彦の熱演は特筆に値する。

憲法改正が取り沙汰されるいまこそ、本作は意味をもつのかもしれない。

首相の滝沢修と政界の首領格の佐分利信の風格というか、発するオーラというか、いまの日本映画にはいないタイプの大物俳優で、特に滝沢修の妖怪ぶりはやっぱりすごい。

山本薩夫の、「戦争と人間」「白い巨塔」「華麗なる一族」「金環蝕」「不毛地帯」などと比べると、コクが薄い気もするが、現在の日本映画より、よっぽど見応えがあった。

こういう日本映画をもっと観たい。

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mg599