好色一代男

劇場公開日:

解説

元禄期を背景に世之介の女体遍歴を描いた井原西鶴の「好色一代男」の映画化で、「お姐ちゃんはツイてるぜ」の白坂依志夫が脚色し「恋にいのちを」の増村保造が監督した。撮影は「手錠にかけた恋」の村井博。

1961年製作/92分/日本
原題:All for Love
配給:大映
劇場公開日:1961年3月21日

ストーリー

但馬屋の伜世之介は父親夢介の心配をよそに、数々の女遊びに夢中だった。特に遊女吉野太夫とは起請文を交すほどの深い仲。あまりの伜の放蕩にたまりかねた夢介は、豪商春日屋の娘お園との縁組を進めるが、お園にも意中の男があるのを知った世之介はそれをぶちこわしてしまう。ついに世之介は勘当代りに江戸の出店へ修業に出された。だが彼は江戸に着くや支配人をだましてのしたいほうだい。通人月夜の利佐の手引で吉原一の高尾太夫に会うが、利佐と高尾の愛情を知って気前よく身請けしてやる。ついに世之介は勘当を申渡された。申訳にもと頭を丸めた世之介だったが、寺でも彼の浮気はおさまらず、寺を追放される破目となる。その世之介を慰めるのは色比丘尼であった。世の中のがめつさをいやというほど知らされた世之介は流れ流れて北国の漁師町へ。網元の妾のお町にいい寄るとお町はころりと参ってしまう。だが駆落ちをはかった二人は、たちまち追手に捕えられ、世之介は半殺しの目に会った。それから数年、今は私娼のヒモになり下がった世之介は田舎大尽のお供で旅から旅へ。今は姥桜の吉野太夫と再会したものの遊女のまことは金だとあしらわれ世之介は唖然とする。久しぶりに両親に会おうと但馬屋の前に来ると、父親が臨終のまぎわ。夢介から三つの遺言を申渡された世之介だったが、彼はニベもなくはねつける。このショックで両親は相ついで死んでいった。今や但馬屋の当主となった世之介は思うがままの女遊び。評判の夕霧太夫を大金をつんで自分のものにしようとする。この世之介の放蕩ぶりに役所は冥加金を申しつけるが、彼はそれをハネつける。ために但馬屋は財産没収。いち早くそれを知った世之介は夕霧と共に日本脱出をはかるが、途中役人に襲われ、夕霧は亡くなった。どうしようもない怒りを矢に向ってぶちまけた世之介は、好色丸に乗り、波のユートピアに向って船出するのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5本気度高いナンパ男

2020年3月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

61年大映。井原西鶴原作・増村保造監督。
舞台は江戸元禄。生粋の女好きの世之介を演ずるのは市川雷蔵。

雷蔵がカメレオン俳優と呼ばれた理由がわかる。クールでニヒルな役とは真逆なウェイキャラを実に楽しげに演じております。こちらが地なんじゃないかと思える程に。

軽快に話は進み日本各地を渡り歩く展開。侍の阿呆さに嘆いたり、世知辛さに憂いたり。しかしあくまで軽い世之介。それも嘘がないので憎めない。ラストも日本の制度に怒りを示すもあっからかんと明るい。中村玉緒も若尾文子も出番は少し。雷蔵のキャラ立ちが全てと言える映画でした。

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