劇場公開日 1999年9月18日

「当時の日本の銀行が抱える問題を良く調べて落とし込んで出来た縮図」金融腐蝕列島 呪縛 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5当時の日本の銀行が抱える問題を良く調べて落とし込んで出来た縮図

2013年3月17日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波、CS/BS/ケーブル

興奮

知的

難しい

総合:85点
ストーリー: 90
キャスト: 80
演出: 80
ビジュアル: 70
音楽: 65

 随分と骨太なしっかりとした物語である。原作は高杉良だが、良く調査されていてこちらの出来が良くて、それを映画でも引き継いでいる。バブルに溺れ大量の不良債権を抱え込み、検察が実態解明に動き、それなのに企業統治が機能せずに役員が企業を専横する。改革が必要なのはわかっているのに、権力者は既存権益を手放さずそれを許さないし、それを諌める立場にいるものも自らの地位保全のために動かない。
 そんな何もしない上層部を見限り、改革のために動き出す中間層の活躍が非常に切迫していて緊迫感があった。そして改革の過程で闇勢力との決別もしなければならず、内憂外患であった。かっこいい見栄えの良い理想論を描くのではなく、会社員としての現実に直面しながら自らを奮い立たせていく企業戦士の戦いを目のあたりにすることができた。

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Cape God