劇場公開日 1978年10月7日

「あまりにも衝撃的」鬼畜 こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0あまりにも衝撃的

2023年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

怖い

まずは緒形拳さんのご冥福をお祈りいたします。
長年楽しませてくれてありがとうございましたと
お礼を言いたい。

訃報にふれたときにすぐに思い出したのが
この映画でした。

初めて観たのは果たしていつだったか。
もう忘れてしまうくらい子どものころだったように思いますが
未だにそのときの衝撃が忘れられません。

大人になってからも幾度か
目にしていますが
やはりものすごい衝撃。
子どものころに見たのとはまた、
違う角度から見れますので
よりいっそう深いものとなりました。

下手なホラーより怖いです。
子ども時代は単純に妻の岩下志麻が怖かった。
大人になってみると
主人公である緒形拳もおぞましく怖い。

最近、弱いことは悪くないと
他で観たばかりなのに
この映画では
弱さはすでに罪なのだと思い知らされてしまう。

いったいこの主人公が
重要視したのはなんだったのか。

映画のラストも、
きっと死ぬまで忘れないだろうな。

市井の、ある一部の人の話としてでなく、
もしかしたら自分のみにも起こりうると考えると、
果たして自分は
弱い自我を乗り越えて
子どもたちを守れるかどうか。
もちろんそこには
経済的な余裕もなければ
主張を通せる部分が揺らぐだろう。

人間の恐ろしさをじんわり
思い知らされる映画。
マジ怖い!

こまめぞう