喜劇 昨日の敵は今日も敵

劇場公開日:

解説

「喜劇 右むけェ左!」に続く松竹の前田陽一の他社演出作品。脚本は「喧嘩屋一代 どでかい奴」の石松愛弘と前田陽一。撮影も「喜劇 右むけェ左!」の梁井潤がそれぞれ担当。

1971年製作/85分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1971年4月29日

ストーリー

城南大学の応援団と音楽部は犬猿の仲である。ある日鍋山団長に引率された丸田、ひげ、ニキビらの応援団は、資金調達のため、箱根のホテルにボーイのアルバイトにでかけていった。そんなことは露知らぬ音楽部一同も、リーダーのヤスオを先頭に箱根へ演奏旅行とシャレこみ、両者はホテルでバッタリ鉢合わせ。この連中が、日頃の喧嘩も忘れてモーレツにアタックしたのが、美女さゆりを始めとする十数名の西北大学の空手部女性群。そんな騒動の中で、佐藤、五十嵐、池田のトリオがチャーミングなひろみを連れてホテルの迎賓館へやってきた。五十嵐が主催したドンチャン騒ぎの宴会の席上、公害問題を鋭く追求し、美しい自然を返せと大演説をブチ上げた。都市造りの広大なビジョンを打ちだす五十嵐が、城南大学の先輩と知った逆田と鍋山は大感激。一方、美しいひとみに、すっかりまいった逆田は猛ハッスル。新しい国家造りをさけぶ五十嵐は、ホテルを本拠にして、日本の独立を宣言した。浪花節的な鍋山は、五十嵐の理想実現に共鳴し、日の丸鉢巻で竹槍訓練。五十嵐一党は、ホテルの主要部分にリモコン爆発装置を仕掛け、遂に実力行使にでた。このホテル・ジャックに長田巡査、藤山支配人らもビックリ仰天。そんな一同を尻目に、凶悪な一党の前に、笑顔で立ったのは可れんな京子だった。彼女の活躍により、ホテル・ジャックトリオは、精神病院に入れられ、事件は無事落着した。

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映画レビュー

3.5☆☆☆★★ ※ 鑑賞直後のメモから 渡辺プロ製作の破茶滅茶コメディ...

2020年1月4日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆★★

※ 鑑賞直後のメモから

渡辺プロ製作の破茶滅茶コメディー。監督は前田陽一。

これは滅茶滅茶楽しい作品でした。一見すると単なるドタバタコメディーにしか見えないのですが…実はとゆう内容。

硬派な大学の応援部の団長がなべおさみ。
対する軟派な軽音楽部の新入生が堺正章。
共に部を上げてアルバイトに向かう先が箱根小涌園。
するとそこには女子大生の空手部が。そして、平田昭彦を長とする四人組がやって来る。
町の駐在さんにはいかりや長介。
小涌園の支配人には藤村有弘。

途中までは単なるドタバタコメディーなのだが、中盤で平田昭彦が登場すると一気に展開が180度ガラッと変わる。
この四人組が実は…とゆうオチ自体はそれ程ではないが、この四人組にはおそらくモデルがいる筈なのだ!
個人的に思ったのは、そのモデルは三島由紀夫なのではないだろうか?…と、観ていて感じた。

箱根に独立国家を作る計画から、小涌園を占拠する平田昭彦の演技が素晴らしいのだが、この作品が製作されたのが1971年。
三島由紀夫が市ヶ谷の自衛隊駐屯地にて割腹自殺をしたのがは、前年の1970年なのだ!

当時の再軍備の必要性等を唱える意見に対する強烈なるアンチテーゼになっている。
それを、多彩な顔ぶれでのドタバタコメディーとして製作されているのが、考えてみたらちょっと凄い。
渡辺プロだけに、堺正章のヒット曲♬さらば恋人を始め。布施明が無理矢理に1曲バラードを歌えば、ゴールデンハーフスペシャルが♬バナナボートを歌う。
特に、ゴールデンハーフスペシャルが登場する場面のアナーキー振りには脱帽!
全くもってその馬鹿馬鹿しさにはお口あんぐり(笑)

それにしても、箱根小涌園はよく撮影を許可したものだなあ〜。

2010年7月22日 シネマヴェーラ渋谷

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