お坊主天狗

劇場公開日:

解説

子母沢寛の原作を「鉄火若衆」の結束信二が脚色、同じく佐々木康が監督した仇討もの。撮影は「胡蝶かげろう剣」の鷲尾元也。

1962年製作/97分/日本
配給:東映
劇場公開日:1962年11月2日

ストーリー

江戸の盛り場市村座で、難題をふっかけているごろつき共の中にわって入った男、「本所のお坊吉三」で通る番匠谷吉三郎である。三年前、父が本多越中守の刃にかかりあえない最後をとげて以来、旗本の家柄を捨てた吉三郎は無頼、夜鷹といった世のすね者達に屋敷を解放して悠々自適の生活を送っていた。無頼の足を洗って渡海屋の手代になる七之助を祝う仲間が、集っている処へ訪れた辰巳芸者小染から、吉三郎は意外な事を打明けられた。小染はもとは武家の娘で、御前試合に負けたのを恨み父を騙し討して逐電した大庭隼人を探している身だったのだ。御拝領の愛刀が唯一の手がかりである事から研師秋葉屋新三郎に話がもちこまれた。江戸一番の腕をもちながら、生来のへんくつが売り物の新三郎も吉三郎の頼みとあって一肌ぬぐことになった。父の死を無駄にすまいと三年の間待った吉三郎だったが、趣中守の乱心は日に日につのるばかり、酒におぼれて天下の政道をおろそかにするとあって天誅を下すことにふみきった。折も折、越中守の印幡沼視察が伝えられた。時到れりとばかり、行列を襲った吉三郎の前に立ったのは荒木均平--悪い主君とはいえ、十万石の家臣を思い案ずる荒木が仕組んだ偽行列だった。一方、渡海屋では秘密文書を盗み見た七之助が一刀のもとに斬り捨てられた。その刀が秋葉屋へ持ちこまれたことから、渡海屋こそ小染が探し求めていた大庭隼人であることをつきとめた。その頃、渡海屋が越中守を寮に招いての酒宴を催すという情報が入った。この時とばかり、日頃吉三郎の世話になっている連中が続々集まってくる一方、小染の助勢をかって出た新三郎もかけつけ、時をうつさず渡海屋の寮へ乗りこんだ。狼狽する一同を尻目に目ざす守、大庭隼人を追う吉三郎と小染、越中……無事仇討を遂げた二人の前にかけつけた荒木は、公儀へは病死と届け自らは浪人となり本多家十万石を救ったのだった。

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