劇場公開日 1972年8月5日

「山田・渥美・吉永 大物トリオの寅さん映画!」男はつらいよ 柴又慕情 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0山田・渥美・吉永 大物トリオの寅さん映画!

2019年3月4日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

幸せ

シリーズ9作目。
マドンナに吉永小百合が登場。
演じた歌子はシリーズでも人気のマドンナの一人であり、後に同役でもう一度登場する。

出会いは旅の空の金沢。
歌子は女友達二人と旅行中。
最初はぎこちなかったが、記念の写真撮影の際の寅さんの「バタ~!」で笑いが弾け、すっかり意気投合。
楽しいひと時を過ごす。

若さを謳歌する3人娘だが、歌子は家庭に訳あり。
小説家の父と二人暮らし。
生活能力も無く、寡黙で、娘に対しても心を開いてくれないような不器用な父。
家に帰れば父の世話で気の休まる暇も無い。

実は歌子には恋人が。
結婚も考えている。
父の了承を得たいが、父はあまり良く思っていない。
結婚したければ勝手にすればいい、と、素っ気ない。
自分の幸せか、父の心配か。
歌子の悩みは思いの外重い。

勿論寅は歌子に恋をし、失恋するが、本作のドラマのメインは、歌子が父の元を離れ、恋人との結婚を決意するまで。
父とはまだわだかまりが残り、これは次回再登場の時に引き継がれる。

吉永小百合が可憐に好演。
本作でのような魅力を見ると、“サユリスト”という多くのファンと今も尚絶大な人気を誇るのも頷ける。
父親役の宮口精二については、次回登場の方が見せ場的にもあるのでその時に。

おいちゃん役の森川信が死去した為、本作から松村達雄が2代目おいちゃんに。
違和感無く、“おいちゃん”になっている。

序盤の柴又帰って来てのひと騒動は、またまたまたとなる寅さんの部屋が貸し部屋に。
これに怒り、不動産で手頃な貸し部屋を紹介して貰うが、それが何と自分のウチ!
寅さんの部屋が貸し部屋になったのには訳が。
さくらとひろしがいよいよ一軒家を建てる決意をし、おいちゃんとおばちゃんはせめてものその足しに。
それでも納得いかない寅さんはつい、さくらとひろしの夢のマイホームを貶してしまう。
さくらとひろしを泣かせてしまった寅は…。

OPは久々となる寅さんの夢からの始まり。
夏と冬の年二回の公開。本作は、夏。
これらのスタイルが確立されたのも、おおよそ本作辺りから。

それらを差し引いても、山田洋次×渥美清×吉永小百合の豪華贅沢なトリオ初顔合わせの寅さん映画ってだけでも見て損はナシ!

近大