劇場公開日 1947年9月27日

「そもそも制度自体が…。」安城家の舞踏会 talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0そもそも制度自体が…。

2023年4月12日
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相応の財力があり、社会の有閑層として政治などを担ってきたヨーロッパの王侯貴族とは全く違い、日本の貴族(華族・士族)は、幕藩時代の支配層をそれなりに遇するための、いわば中間的な位置づけの制度。そもそものお話。かつての金融再編時代で言えば「ブリッチバンク(承継銀行)」みたいなものでしょうか。
あまつさえ「四民平等」を打ち出したはずの明治憲法の理念からすれば、そもそもが、例外的な「橋渡し」的な制度だったはずです。
そう考えると、本作の安城家の末路は、当然の結末といえば、当然の結末であったようにも思われます。
そのことに気がついているのか…敦子(原節子)の立ち居振る舞いが、それだけに胸に痛い一本でもありました。評論子には。

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