劇場公開日 1999年7月3日

「空飛ぶ菅井きん」あの、夏の日 とんでろ じいちゃん Kjさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5空飛ぶ菅井きん

2020年11月14日
iPhoneアプリから投稿

尾道の日本家屋、背景の蒸せるような緑の庭と爺の書院と板の間の孫の絵が美しい。タイトル通り、夏を感じさせる空と雲、田畑の緑、水面の輝きと存分に表現している。
勝野洋の娘の胸を触り、大喜びする小林桂樹。老年にして貫禄の演技である。その勝野雅奈恵であるが、旬という言葉が適切かどうか分からぬが、少年の背伸び相手としてハマり役で、若々しい色香を放つ。又、子役であるブレイク前の宮崎あおいのキュートさは妖艶でもあり、これも特筆すべき点である。この辺りの撮り方は監督らしさを感じるが、少し苦笑い。
ラストの絵は実に奇妙であるが、長年連れ添った者を省略して、青い経験と共に昇天してしまう大林作品もあるわけで、菅井きんのストーリーが各所に織り込まれることで、全体として豊かになっている。

Kj