あした晴れるか

劇場公開日:

解説

東京新聞に連載した菊村到の原作を「静かな脱獄者」の池田一朗と中平康が共同で脚色し、「地図のない町」の中平康が監督した明朗篇。撮影は「疾風小僧」の岩佐一泉。

1960年製作/90分/日本
配給:日活
劇場公開日:1960年10月26日

ストーリー

秋葉原のヤッチャバ(東京青果市場)につとめる三杉耕平は写真大学を卒業、本職はカメラの方である。その耕平は、ある日、桜フィルムの宣伝部長宇野から“東京探検”というテーマで仕事を依頼された。そして耕平の一切の面倒をみる担当として、宣伝部員の矢巻みはるをつけられた。みはるは大変な才女で耕平にとっては全くの苦手だった。その上バー“ホブーブ”の女給セツ子も耕平を追いかけ廻しているので苦手が二人できたわけだ。その夜宇野に連れていかれたバーでみはるが愚連隊に因縁をつけられたが偶然通りかかったみはるのいとこ昌一によって救われた。翌朝耕平は目をさまして仰天した。みはるの家に泊ってしまったのだ。そのみはるには、しのぶという美しい姉がいた。しのぶは、美容学を研究しているおしゃれな下田に眩惑されていた。さて、いよいよ耕平の本格的仕事が始まった。深川の不動尊、佃島の渡船場、旧赤線地帯、野犬抑留場--みはるは一日中耕平の傍につきながら、彼の無心の仕事振りに惹かれていくのを感じた。ふとしたことから耕平はセツ子の父親清作と知り合った。清作はかつてヤクザだったが今は堅気の生活をしている。しかし六年前に清作がビッコにした人斬り根津という男が彼を探していた。しかし或る日根津に探し出された清作が、アワヤという時に耕平がとびこんで救けた。--ここ桜フィルムのギャラリーは満員だった。耕平の次々と発表する“東京探検”作品展は大変な人気を呼んでいた。大当りに気を良くした宇野は、この次の企画として“アフリカ探検”を耕平に用意してあると言った。みはる、セツ子、昌一、清作は助手を希望して大騒ぎである。下田との愚から恋に目覚めたしのぶは独り窓に向かって落書した。「昨日風吹き、今日雨吹り、明日晴れるか」しのぶのうるんだ瞳は耕平にじっと向けられていた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0時代も変わった

2013年6月14日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

フィルム会社から“東京探検”というテーマで仕事を依頼された新米カメラマンの耕平。会社の宣伝部員が彼の面倒を見る事になったが、耕平の苦手なデキる女性だった…。

石原裕次郎主演の1960年の作品。
デキる女性・みはるを演じる芦川いづみとの夫婦漫才のようなやり取りが楽しい。
耕平が取った一枚の写真がきっかけでてんやわんやの大騒動に…!
漫画チックな明朗な展開で、この時代の日本映画の好調ぶりを象徴するような、とことん痛快な青春コメディ。
“東京探検”と言っておきながら、名所が印象的なほど登場しないのは残念。

この映画、ある描写も時代を感じさせる。
耕平は偏見は無いものの、才女であるみはると度々衝突する。
耕平が飲み屋で会う中年サラリーマン(名脇役・殿山泰司!)は社長兼女房に尻に敷かれている。
女性が社会で働くのがまだ珍しかった時代。
女性上位に鬱憤を晴らすような台詞もあり、今だったら批判を呼ぶだろうが(笑)、そういう時代だった。
時代も変わった。

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近大
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