劇場公開日 2007年3月10日

「自由になること」パラダイス・ナウ ku-chanさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0自由になること

2020年3月22日
PCから投稿

あまりにも衝撃的で見終わったあと自分の頭の中が整理できなかった。
ウエストバンク内の北方のナーブルス(パレスチナ地区)というところしかしらない(外へは出られない)ナーブルスに住むサイード。
サイードは10歳の時、父親が内通者で裏切り物として処刑された。母親もサイードの父親のことを語りたがらない。不名誉なことだから。サイードの幼馴染と二人で、テレアビブでテロ自爆の指名を果たすはずだったが?!
ウエストバンクのどこへ行っても、イスラエルの検閲所ばかりで自由に動き回れず、監獄の中にいるようだとサード。彼がこの難民キャンプを出たことがあるのは一回だけだと。それは病気の時(?)。イスラエルの中でパレスチナの国もなく不自由に生きているなら、死んでパラダイスにいって自由になるだけだと考えている二人。そこにアブアザマム(Abu Assam)というa revered leaderリーダーの娘、スーハ(Suha)(Lubna Azabal)が現れる。パレスチナ人だがフランス生まれで、モロッコ育ちでウエストバンクに戻ってくる。西欧諸国の考えを知っているSuhaは自爆テロの行為に賛成していないし、イスラエル軍の軍事力を知っているから実用的で意味のある行動だと思っていないようだ。イスラム教は自殺を禁止しているし、それに、この行動は一般市民を巻き添えにすることや暴力の仕返しごっごになると信じている。『パラダイスは頭の中にある架空の場所だと』
サイードを探しながらスーハと幼馴染は車の中で討論したが、幼馴染は自分の意見を譲らず、自爆テロを実行するのみと考えた。
『不正義をやめさせる方法を見つけ出さなきゃ』とスーハ。

サイードにとっては、父の汚名を挽回することにより、家族が差別を受けなくてすむし、自爆テロを実行することにより、残りの家族の生活は保障されることを知っているし、この不公平の世の中に生きていることを捨ててパラダイスに行きたい。そうすれば、平等になると。平等に生きられなければ、少なくとも平等に死にたいと。

幼馴染はテレアビブの現状を見て、スーハの言葉の重要性に気づく。『スーハは正しい。自爆テロで我々は勝てない。』と。でも。。

Socialjustice