劇場公開日 2006年12月1日

「シリアスでリアルなボンド」007 カジノ・ロワイヤル k.moriさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5シリアスでリアルなボンド

2010年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

知的

ここ最近の数作はすべては観ていないので何ともいえないが、これまでの007映画としてはある意味異色な作りになっている。悩み、苦しみ、悲しみ、怯える、うろたえる、自信を失う。こういった感情がこの作品のボンドでは描かれている。そういう意味で、スパイ物としてはこれまでの007作品よりもリアルに感じるし、女性をシリアスに愛するというのも、この作品ならではのことではなかっただろうか。主演のダニエルクレイグはこれまでのボンドに比べて華やかさや派手さはないが、その分スパイとしてのリアリティーのある俳優だと思う。

殺人を目のあたりにして、心を痛めたヒロインの女性が、シャワールームでうずくまり泣いているところへボンドが現れ、一緒にシャワールームで水に濡れながらうずくまるシーンは、ジェームズボンドとしてはかなり珍しいシーンだと思った。

最新作の製作が無期限延期で、今後ボンド映画がどうなるのか心配だが、これからも楽しませて欲しい。

k.mori