劇場公開日 2006年12月1日

「【参上、新007】」007 カジノ・ロワイヤル ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【参上、新007】

2021年9月29日
iPhoneアプリから投稿

これまでのジェームズ・ボンドとは異なり、ちょっとワイルドな顔立ちで、身長もそれほど高くはないダニエル・クレイグの007ジェームズ・ボンドは、この「カジノ・ロワイヤル」で一気に評価を高めることになった。

実際、スマートさより強さが強調されたように感じられるダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドは原作のイメージに最も近いとされ、ショーン・コネリー以来の評価を受けることになる。

この作品の序盤のパルクールのようなアクションは時代を先取りしているようだったし、その後のアクションも、これまでの007より肉体を駆使しているように思えた。

また、ハードボイルドな感じは、その他の場面でも上手く表現されていてい、ヴェスパーとの会話は、もしかしたら映画の名ゼリフとして残せるんじゃないかと思わせるほどのちょっとしたエロさだ。

「君は(僕の)タイプじゃない」

「知的だから?」

「いや、独身だからさ」

「指の血が取れないの」

そっと、指を口に運び、舐めてあげる。

「貴方がすべて失って、残ったものが笑顔と小指だけでも、私にとって、貴方は立派な男よ」

「それは、僕の小指の技を知っているからかい?」

無茶苦茶エロかっこいい(笑)。

映画は、時代を映して、国際的なテロ組織・武装勢力との戦いが中心だし、組織の裏切り者もジェームズ・ボンドを追い詰める。

そして、株式の空売りの場面を添えて、世界の資本市場が、テロ組織や武装勢力の資金調達の温床となっていることなど示唆しながら、終盤のカジノでの勝負など、お金を巡る争いの場のギャップも楽しい。

もう一つ、この作品でヴェスパーとの会話で面白いのはジェームズ・ボンドが、どんな人間かを推測する場面があることとだ。

「オックスフォードかどこかの名門出身」

「もしかしたら、孤児?」

「貧しくて友人がいない」

「スーツが嫌い」

まさに、ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドに当てはまる感じだ。

こうして、ヴェスパーの悲劇と、裏切りと、復讐、そして、Mと、どのような展開になるのか、様々な物語を続編の「慰めの報酬」につながることとなる。

ワンコ
NOBUさんのコメント
2021年9月29日

今晩は
 007といえば、ダニエルボンドだと思っている諸先輩方からは、お叱りを受けること間違いなしのNOBUです。
 だって、今作のマッツ・ミケルセンから始まるボンドの敵役の圧倒的な存在感や、先の読みにくいストーリー展開(今作は、原作があるので、ちょっと別)、蠱惑的な美しいだけではないボンドガール&起用された女優さん達のその後のご活躍振り。
 いやあ、新作、ちょっと不安はありますが、期待してます。(全世界のシネフィルの方々と共に・・。)
 何時から観ようかな・・。抑々、初日に観れるのかな・・。

NOBU