劇場公開日 2006年12月23日

「透明人間VS透明人間」インビジブル2 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0透明人間VS透明人間

2020年8月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

 バーホーベン監督の前作は衝撃的な視覚効果で人気を博したが、今作ではその視覚効果の予算が前作の100分の1しかなかったという。そのため低予算でも耐えられるだけのアイデアを詰め込んだ透明人間との格闘シーンに重点が置かれ、透明人間の血管だけが浮き上がるようなCG効果はほんの僅か。

 そんな中でも役者たちの一人芝居が冴える。ワイヤーアクションだったり、ハーネスに棒を付けて振り回したりとか、涙ぐましい努力の結晶なのだとDVD特典で知った。冒頭のパーティでは「サルを殺すのが好き」とのたまうイカレ科学者に天誅が下る。もちろん透明化の実験材料にされたマイケル・グリフィン(クリスチャン・スレイター)が犯人。彼は透明化の副作用に苦しみ“緩和剤”を手に入れようと必死だったのだ。

 研究所をクビになったマギー・ダルトン博士(ローラ・レーガン)が製造法を知る唯一の科学者なのだが、フランク・ターナー刑事(ピーター・ファシネリ)とリサ・マルティネス刑事が上からの命令で殺人事件捜査を外され、彼女の警護に当たらされる。

 どうやって撮ったのか知りたくなる作品には違いない。そしてCGの技術よりも演技、さらにホラーよりもサスペンスという1作目の違い。軍による兵器化という内容だったものが、国防総省直属のライズナーの政敵を殺す目的に代わっているのです。そして、ありがちな展開であるものの刑事が犯人扱いされて追われるというサスペンス。SWATと軍に追い詰められてフランクが取った行動とは?

 最終的には雨の中での透明人間対決!クロマキーで水滴を跳ね返す美しさも魅力の一つだと思う。人体実験や兵器化する社会悪をもメッセージとしてとらえることもできるけど、相棒を殺されたフランクの復讐心に男気を感じた。

kossy