Dear Pyongyang ディア・ピョンヤン

劇場公開日:

解説

在日コリアン2世の映像作家ヤン・ヨンヒが、自らの家族を10年間にわたり撮り続けたドキュメンタリー。大阪市生野区で両親と暮らすヤン。朝鮮総連の幹部として人生を“祖国”北朝鮮に捧げた父は、30数年前に3人の息子たちを北朝鮮へ送り出した。しかし日本で生まれ育ったヤンは、そんな父の行動に違和感を感じていた……。両親やピョンヤンで暮らす兄の日常を映し出すことで、そこに潜む様々な問題や家族の絆を浮かび上がらせていく。

2005年製作/107分/日本
配給:シネカノン
劇場公開日:2006年8月26日

スタッフ・キャスト

監督
製作
稲葉敏也
撮影
ヤン・ヨンヒ
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映画レビュー

4.0我が身の幸せを噛みしめる

2024年4月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

在日朝鮮人である梁英姫(ヤン・ヨンヒ)監督によるドキュメンタリーの秀作。
私小説と言える。

2005年『Dear Pyongyang ディア・ピョンヤン』
2011年『愛しきソナ』
2022年『スープとイデオロギー』

私は何も予備知識なく、『スープとイデオロギー』を最初に見た。
そして今回、本作を見る機会があったのだが、『スープとイデオロギー』のおかげですんなりと入っていけた。

大阪に住み、
朝鮮総連の幹部である父、それを全力で支える母、
三人の兄たちは日本で生まれたがいわゆる「帰還事業」で平壌に移り住んだ。
末っ子のヤン・ヨンヒ監督だけが両親と暮らしている。

どんな報道より具体的に北朝鮮が分かる。
かの有名な?万景峰(まんぎょんぼん)号の中が見られるなんて!

当たり前だが、北朝鮮国民やそのシンパも同じ人間だということがよく分かる。
ヤン・ヨンヒ監督は、両親が全力で北朝鮮を支持する理由を理解できないままであり(『スープとイデオロギー』でタネ明かしされることになるが)、北朝鮮という国に納得いかないものを抱えている。

『スープとイデオロギー』では、すでに父は故人となっており、遺影だけを見たのだが、
本作では元気な姿を見せている。母もまだ若い。

朝鮮総連の幹部、
その言葉だけで構えてしまうが、父は明るく優しい雰囲気が画面からうかがえる。
もちろん、カメラの前だけが全てではないことは理解しているが、「それにしても」である。

日本という国に、
日本人として生まれ育った自分は十分すぎるほどハッピーであることを思い知らされもした。

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Haihai

4.0父と子

2024年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

幸せ

 北朝鮮について北朝鮮籍の在日2世が語るという貴重な当事者のドキュメンタリー。見られる光景は思想の違いはありつつも愛情あふれる親子の日常。思想や政治は何のためにあるのかと考えさせられます。
 メインとなる監督の父と母の生き様は良かったのかどうかは分かりませんが、もし自分がその状況に置かれたらと考えると、一本筋の通った人生として共感できます。

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FormosaMyu

5.0家族愛の物語

2023年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

表題から北朝鮮が主題の映画かと思いきや、家族愛が主なテーマでした。ヤン監督の父と母の仲睦まじい様子が良く分かり、ヤン監督と父の会話の掛け合いもとてもユニークで面白いです。娘の結婚相手を心配しているのですが、アメリカ人と日本人は駄目だと言います。父は金日成主席に忠誠を誓っていることを何回も口走ります。息子3人とその子である孫が平壌に居るため、母は早く日本と国交正常化をして、自由に行き来できることを望んでいます。国の制度のあり方も大切ですが、一番大切なのは家族愛だということを教えてくれた素晴らしい映画でした。

この映画は北朝鮮でも撮影しているため、北朝鮮の人々の暮らしぶりや新潟と北朝鮮を結ぶ万景峰号の船内の様子も分かります。残念なのは、この映画が公開されたことでヤン監督が北朝鮮に入国出来なくなっていることです。一刻も早く北朝鮮にも行けるようになることを願っています。また、北朝鮮の方が自由に自分らしく生きていける環境となることを願っています。
なお、アボジ(父)、オモニ(母)という単語は知っておいた方がよいと思います。

この映画を製作したヤンヨンヒ監督と関係者のみなさまに深く感謝いたします。ありがとうございました。

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松村 訓明(まつむら のりあき)

3.5(原題) DEAR PYONGYANG

2023年6月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

特集上映「映画監督ヤン ヨンヒと家族の肖像」、三部作!作品通して様々な本物の愛を見た気がします。

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AYK68

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