劇場公開日 2006年12月9日

「日本的な心を持つハリウッド映画」硫黄島からの手紙 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本的な心を持つハリウッド映画

2010年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

難しい

ハリウッド作品ながら全篇を日本語で押し通した偉業に拍手!
カメラ・アングルが素晴らしい。おまけにじっとしていることがない。カメラが動かなければ絵そのものに動きがある。「父親たちの星条旗」同様、大きなメリハリをつけずとも飽きさせない展開は秀逸。なんといっても特筆すべきは、これがアメリカの監督作品かと思えるほど日本映画になっている点だ。見方を変えれば、当時の日本国民同様、日本特有のモノの考え方と思っていたこと自体が間違いで、アメリカ人もどこの国の人も、国を思う気持ち、人を思う気持ち、家族を思う気持ちはいっしょなのだと改めて痛感させられる。
日本の作品も、大和だのゼロ戦だのの雄姿や、散り逝く者への賛歌だけではダメ。結局、そんな戦争映画の根底にあるものはカッコよさであり、ワタシが子供の頃、ゼロ戦や大和のプラモデルを作っていたのと何も変わらないことになる。日本の夏の風物詩でもある戦争映画も、本作のような芯のある作品にしてもらいたい。

マスター@だんだん