劇場公開日 2006年12月9日

「指揮系統が徐々に崩壊していく様子にリアルを感じた。」硫黄島からの手紙 けけさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5指揮系統が徐々に崩壊していく様子にリアルを感じた。

2021年8月8日
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孤立無援の中、水、糧食、補給品等不足し、指揮系統も混乱して、まともに作戦も立てられず、徐々に崩壊していく部隊を指揮する栗林中将の苦悩がよく理解できました。

印象に残ったのは、西中佐が助けた捕虜の米兵が持っていた母親からの手紙で、家族の身を案じる思いは世界共通だなと胸が熱くなりました。

また、自ら進んで投降した清水が米兵の都合によって殺されてしまった場面では、これはこれで人間らしい状況判断だなと思い、綺麗事だけでは片付けられない戦争の悲惨さを感じました。

装備、規模、国は違えど、やはり人間同士の争いなので、情もあれば非道もある。
それを手紙を通して表している本作品は秀逸な作品でした。

そして、やはり渡辺謙さんは演技が上手い!
話し方、トーン、立居振る舞いが全て自然!
やはり彼は日本を代表する俳優であると改めて思い知りました。

けけ