劇場公開日 2021年12月17日

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「そんなに責めないで 人生は短い 人は何も持たずに生まれてくる  Be Not Too Hard by Donovan Philips Leitch」夜空に星のあるように カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0そんなに責めないで 人生は短い 人は何も持たずに生まれてくる  Be Not Too Hard by Donovan Philips Leitch

2022年1月3日
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鑑賞方法:映画館

1967年のケン・ローチ監督の初長編作品が武蔵野館でリバイバル上映。
わたしはダニエル・ブレイクが大好きで、ドノヴァンが音楽担当とのことで、すごく興味が湧きました。
邦題が荒木一郎の「空に星があるように」と似ているからではありません。
デイブ(テレンス・スタンプ)が 子供を膝に乗せたジョイに弾き語りでドノヴァンの Colours を聴かせるシーンがとてもいい。
たまらない❗
ケン・ローチ監督がドノヴァンに共感してくれたのも嬉しい。
冒頭のジョイの出産シーンで流れる Be Not Too Hard.
若き日のテレンス・スタンプ。渋くてカッコいい。最近公開されたべイビー・ドライバーのエドガー・ライト監督のラストナイトインソーホーで謎の老紳士役で出ていたテレンス・スタンプ。ラストナイトインソーホーも同じくイギリスの60年代の女性を扱った映画で、エロイーズの夢に出てくる金髪キャバレー歌手のサンディとヌード撮影のモデルもしちゃうジョイ(キャロル・ホワイト)がだぶってくる。エドガー・ライト監督の新作はケン・ローチ監督をリスペクトしていて、この Poor Cow へのオマージュをテレンス・スタンプを起用することで表明してきたなぁと思いました。
武蔵野館もやるな~
クズ野郎のトム役のジョン・ビンドンは実生活も刑務所を出たり入ったりして、50歳でAIDSで亡くなった。もともと、ロンドンの酒場でケン・ローチ監督にスカウトされた素人だった。本物だったんだね。ケン・ローチ監督の人をみる目は本物っていうこと。さすがですね。

カールⅢ世