劇場公開日 2017年3月25日

ミツバチのささやきのレビュー・感想・評価

全61件中、41~60件目を表示

4.0溶け込むような静かな世界

2023年3月9日
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1940年頃のスペインを舞台にした映画。
物語は大人の世界から離れた純朴な世界で進んでいく。
セリフはその場で語られているかのようで
風景は何十年も保存してきたかのようで
時間を感じさせないで映画の中にある。

血みどろの内戦のあと
その姿さえハッキリと記さない。

変わっているはずの世の中
変わってしまった大人の世界
それを疑いもなく真っ直ぐな眼差しで
じっと見つめていた少女もいつしか。。。
この眼差しが物語の行方を決める。

偽りのない映像。
これを詩と呼ぶのか。

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星組

5.0アナ=サロメちゃん

2022年1月1日
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鑑賞方法:DVD/BD

続けてミツバチのささやきを見ようとしたが、ニューイヤーコンサートやっているので、明日見る事にする。
4回は見ているので、レポは出来るか、明日改めてする。宜しくお願いします。
アナちゃん寒かったんだろうね?
アナとフランケンシュタイン もう一人 の関係を見ていると、ムーミン谷の冬 に出てくる ハイ虫のちょこちょこ走りのサロメちゃんとヘムレンさんとの関係を思い出す。

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マサシ

5.0エリセ監督の融和への希求が満ちあふれ…

2021年7月28日
スマートフォンから投稿

アナ・トレント出演の「カラスの飼育」
を図書館レンタルで観れた勢いで、
36年前にシネヴィヴァン六本木
で鑑賞した以来のDVDでの再鑑賞。

最近はよく理解出来なかったがために
2日連続で鑑賞することもあるが、
今回も多少その要素はあったものの、
それ以上に、名画の世界に再び浸りたい
がための2度の鑑賞になった。

ヴィクトル・エリセ監督は
10年に1作との寡作作家に相応しく、
緻密な構成と美しく且つ繊細な映像で、
子供の生命への興味心エピソードを使って
国民融和への希求を実に見事に描いていた。

内戦で苦しむスペイン国内も、
夫婦愛の冷めた両親の関係
(内戦のしわざと解説にあった)も、
人間が純粋でいられる時には
出来たはずの融和が
何故次第に出来なくなってしまうのか、
永遠のテーマなのかも知れない。

しかし、その中でも、妻が手紙を焼いたり、
眠る夫にショール?をかけてあげたり、
これは2つの勢力の融和を期待したシーン
でもあるのだろうか。

エリセ監督は子供に希望を託している
ようにも見える一方で、
「アナは子供なんだ…少しずつ忘れていく」
とも医者に語らせていて、
対立の克服は難しいとの認識でもあるが、
それでもラストシーンで
アナの頭に浮かんだ姉イサベルの言葉
「お友達なればいつでもお話ができる」は、
内戦に苦しんだスペインの
融和の希望に繋げるべく、
皆がアナのような気持になってもらえたら
との、監督の切なる願いのようにも思えた。

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KENZO一級建築士事務所

3.02021/7/14 1回目の鑑賞 2023/9/9 2回目の鑑賞 ...

2021年7月14日
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2021/7/14 1回目の鑑賞
2023/9/9 2回目の鑑賞

やっぱり、難しかった。
子供の目を通して、何を得るのが正しいのだろう。

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JYARI

4.5映画とは何かを答える

2021年6月20日
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鑑賞方法:DVD/BD

劇中のガラス張りの蜂の巣のように登場人物たちの行動が全て見えてその心情、心の動きがよくわかる。
街やその歴史背景、家族の置かれた状況なども過不足なく伝わってくる。
そうしたカットひとつひとつの積み重ねで一本の映画となっていく。
そして登場人物たちはそのカットを見た我々に刻まれ実際にあったものとして永遠に生きる。
これは驚いたー。

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あした

4.5すごくすごく良かった!(前半10分くらい寝たけど) 難解という評判...

2021年2月3日
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すごくすごく良かった!(前半10分くらい寝たけど)
難解という評判だったけど、全然難しくなかった。
ひたすらにアナが可愛い。目の魅力がすごい。もうずっとヨーシヨシヨシって感じ。人格の芽生えもひたすらに眩しかった!

モヤモヤは感じてるけど、目を逸らして諦めて心を抑圧して、メンタルやばめに病んでるお母さん(届いてるか分からん手紙ばっか書いてる)とイザベラ(虚言、異常なからかい、焚き火を跳ぶ)、
お父さんとアナは正面から受け止めている(しかもお父さんは割と器用に)印象だった。

独裁政権っていうしんどい状況下で、心を閉ざし、感動しなかったり信じないほうが楽だけど(母とイザベラみたいにね)、
心をオープンにし続けているアナがすごく輝いていた。

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IINO

5.0ミツバチのつぶやき

2020年6月16日
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鑑賞方法:DVD/BD

午前十時の映画祭で、ウン年ぶりにスクリーンで鑑賞。
やっぱり好きだぁ、この作品。
今回は冷えた関係の家族が、再生するお話とも思えた。
また何年か周期で観直したい。
2023.9.10追記

******
初めて見たのは20歳前後、それまでの人生で出会ったことのないタイプの映画だった。説明的なセリフもほとんどなく、あっけなく場面が変わり、わかりやすい盛り上がりもない。正直「よくわからない」映画だった。ただ、わからないけど妙に惹きつけられ、様々なシーンが脳裏に焼き付き、印象は強烈に残った。光と影、寂しい風景、沈んだ色彩などが絵画のようで、物語というよりも画集みたい。しばらくの間、幾度も記憶を反芻していた。

今、久方ぶりに見直し、初見よりも気付く点は多い。スペイン内戦の影響など、当時は知らなかったことも今はわかる。フランコ独裁下で作られたことも。アナの母テレサは誰に手紙を書いていたのか。村はずれの井戸の小屋にいた若者は、どこから逃げてきたのか。暗喩や象徴だらけである。

そして何よりも主人公アナの目があまりにも清らかで、強い。イサベルなんかいくつか違うだけなのに、言うこともやることもすでに女だ〜と思うけど、アナは本当にこども。ほんの数年で過ぎ去ってしまう、まさに限定された時期なのだ。役の名前と実名が同じなのは、撮影時アナが5歳と幼く、混乱させないためだという。

私にとってはこの映画は記念碑的な作品で、今も心の中の一番いい位置にいる。結局、この作品に出会って以降、映画のマイスタンダードになってしまった。

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ぷにゃぷにゃ

4.0映像詩の傑作

2020年4月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

”フランケンシュタイン”映画に魅せられた少女の愛しいほど純真なこころを、繊細に詩的に描いた傑作。スペイン映画は特長として子供が主体の映画を得意にしているが、この作品は「汚れなき悪戯」とならんで代表作に値すると思う。荒涼とした大地を健気に歩く遠景シーンの情感は、今までに観たことのない美しさを持っている。

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Gustav

3.0静かな混乱

2019年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

恐ろしく台詞が少ない。しかも決定的な事件も少ない。だから話が難解になっている。

ポイントは3つ。
「フランケンシュタイン」「ミツバチ」「キノコ」
この3つの場面だけはいろいろ説明しているので、
その説明の文言をヒントに解明するしかない。

時代背景も色濃い。当時のスペインは内戦が終結。
それでも社会は混沌としており、この映画のフェルナンド家族もまた、
そんな社会情勢に翻弄されていた。

窮屈な社会=ミツバチの巣
新たな希望=創造物としてのフランケン
そして、キノコは死をイメージさせる。

台詞欲しいところも多々あった。
父フェルナンドは娘アナを何故に叱らないのか。
フェルナンドと後妻?テレサは一切の会話がないのは何故か。

何とも深い話だが、3回も見直して疲れました。

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クリストフ

3.0ヴィジュアル系映画

2019年4月12日
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ヴィジュアル感強い
クリムトを思わせる耽美的で退廃的な一枚一枚の画、
各シーンに意図が行き渡って寓意的であるというのはもちろんのこと、
なにより
主演女の子の顔が強すぎる
あまりにも美しい
全盛期hyde様もここまではというほど
永遠に見ていられる

それ以外の部分は
センシティブでない人にとっては非常に退屈で眠い
重要なのはストーリーではなくビジュアル
台詞がなくてもよいのではというくらい、(実際台詞少ない)
映像絵画というかんじ

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の

3.0なんだ、こりゃ?

2019年4月10日
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鑑賞方法:映画館

1940年代、内戦が終戦したばかりのスペインのとある農村が舞台。幼い少女アナが、村を回る映画で「フランケンシュタイン」を観、姉に「フランケンシュタインは死んでない。精霊だから」と教えられ、村はずれの廃墟で負傷した脱走兵に会い、… と起きることだけを羅列すると、こんな映画。

しかしこの映画の真髄は、少女の思い描く心象風景なのであろうから、上記には大した意味はない。
心象風景とは言っても、映画は現実に起きることを撮影してるだけで、ファンタジーではない。フランケンシュタインのくだりだけが、アナの心の中にあるだけの映像か。それでいてこの映画全体を「心象風景」と感じさせるところが、この作品の、この監督の凄いところだろうか。

なんか偉そうに書いたけど、「なんでミツバチのささやきなの?」を筆頭に、ちっともわからなかった俺でした。これからみんなの感想を読んで勉強してきます!

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CB

2.0嫌だね。

2018年5月21日
PCから投稿

寝られる

ちっちゃいコがこういうことすると危ないんじゃないかなぁ・・・というエピソードが次々とでてくる。そういうので客を引き受けようという作家的姿勢が気に入らない。
全体にストーリー性はなくエセ映画っぽい雰囲気に満ちている。
もっとも・・才能を感じはしたが・・・

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タンバラライ

4.5抗しがたい死の魅力

2017年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

楽しい

ワンカット、ワンカットが絵画のような美しさについ魅せられるが、実はいつの間にか登場人物と同様、死に魅入られている。そんな作品である。
人はなぜ死ぬのか、死ぬとどうなるのか、という、幼少期、誰もが持つであろう根本の問いをモチーフにした絵巻のようである。
家族の誰もが死と生に取り憑かれながら生きている姿が、悲しくも凛々しい。
本来はフランケンシュタインのようなホラーを撮影するはずが、様々な状況から本作のような文芸的佳作が生まれたとのこと。思うようにならないのが人生だ。それがこのような結果に結び付くのだからこそ面白い。

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Masa_king01

4.5愛らしくてとても、とてもおそろしい映画

2017年4月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

渋谷ユーロスペースで映画上映してくれたので、映画館で観る幸運に巡り会えた!
幼い2人姉妹がいる家族の、ありふれた日常が美しい映像で綴られていく。母親にはちょっとした秘密があって夫婦仲は少しだけギクシャクしているが、それも特筆すべきことではない。なのになぜか一つ一つのシーンのフレームの外、黒目がちに煌めくアナの眼差しの先に、濃密な死の気配が漂ってくることが感じられる。ミツバチの巣のような格子状の窓から差し込む蜂蜜色の日差しや、穏やかだがどこか寒々しい石造りの建物も印象的で、一度見れば一生忘れられないような、まさに不滅の映画だった。

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P.P

5.0ミツバチのように光り輝く子供たちの魂とは

2017年1月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ビクトルエリセ 監督。
わたしが10代で出会って、最も敬愛する映画監督の一人。
その衝撃は、この映画、ミツバチのささやきの国内上映をリアルタイムで観た瞬間からだった。
それ以来、何度観たであろう。
テレビで、ビデオで、レーザーディスクにDVDにブルーレイの時代となっても。
この数年、リバイバル上映があったがチャンスを逃したので、映画館の銀幕で観るのは、80年代以来だから40年ぶりか。
奥行きのあるフィルムの印象から4Kレストアとなり、時代も変わり、年齢も、考え方も、あらゆることが変わった今、あの頃とまったく変わらない魂で安心して観れる映画などなかなか無いだろう。
これだけ時間が経って変わったことと言えば、映画の時代背景に対する歴史観も知識が多少増えてるし、実際にその後スペインにも行って土地勘もあるし。
なんといってもミツバチに対する愛情がこの映画で増したから養蜂家に憧れ、今ではミツバチの生態や飼育の知識もあって、そういったシーンもガッツリ観てしまうところが、ちょっとだけ進化したかな。
でも、それらはどうでもよいこと。
この映画の魂は、そこじゃない。
アナとイサベル姉妹はかわゆいだけじゃない。
反戦を表に出さずとも、この歪んだ大人の世界を、多感な感性で影響受けながらも魂から変える力が子供たちにはある。
そう、あの神秘的なミツバチのように、静かに、しかし力強くささやくのだ。
この映画がヨーロッパらしい暗い場面が多いけど、それはより光を感じるため、未来に生きる輝かしい子供の存在を際立たせることにつながってる。
そんな微細な光を感じられるのは映画館じゃないと。
とにかく、映画館で観ることをおすすめすします。

伏見ミリオン座 にて

※評価5の映画史上最高傑作10選+α

2001年宇宙の旅
惑星ソラリス
ブレードランナー
未来世紀ブラジル
ミツバチのささやき
ブリキの太鼓
時計じかけのオレンジ
裸のランチ
ウンタマギルー
ナウシカ
もののけ姫
ストレンジャー・ザン・パラダイス
バグダッド・カフェ
ドゥ・ザ・ライト・シング

※わたしの評価の基準
期待通りで3、期待しすぎで普通でも3、期待せず予備知識もなく面白かったら3、それ以上なら4、それ以下なら2。
よっぽど酷いと1。
期待を裏切る良さがあれば4だし、完全に裏切られるほど期待を遙かに超えてたら5です。

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fuhgetsu

2.5惜しい作品

2016年9月10日
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鑑賞方法:DVD/BD

知的

難しい

展開がゆっくり過ぎる。映像を綿密に、意図的に撮りすぎてて違和感を感じた。
構想自体はとても面白い。キノコ狩りのシーンは好き。
黒澤明がこんな静かな映画を支持しているのは意外だった。

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擬人法

3.0深く静かな映画

2016年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

萌える

 小さな女の子の姉妹。そのお父さん役の俳優・フェルナンド・フェルナン・ゴメスは「蝶の舌」の学校の先生を演じていた人だ。
 スペインの内戦が少年の心に深い傷を与える「蝶の舌」。
 そして、この「ミツバチのささやき」も、同じくスペイン内戦が少女の心に大きな影を落とす。
 どちらも静かに、しかし心の深い場所を揺り動かす映画体験を与えてくれる。

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佐分 利信

4.0純粋無垢な瞳♡

2013年12月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

幸せ

萌える

アナ・トレントがとにかくかわいい♡
アナと姉イザベルの純粋無垢なやりとり。
怖いもの、神秘的なものを盲目的に信じちゃう子供独特の世界を思い出させる。
大草原の中のポツンとした世界観も良かった。

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ともきち

3.0動きが少なくてちょっと退屈した

2013年3月11日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

総合:55点
ストーリー: 50
キャスト: 75
演出: 70
ビジュアル: 75
音楽: 65

 最初の一時間というもの、物語らしい物語はない。幼い姉妹の学校生活、家庭生活、茸狩りやお喋りや夜に寝る前のちょっとした小話、そんな何気ない日常がひたすら描かれる。フランケンシュタインの映画と、それに感化されて村外れの空き家に行く冒険が、日常とは少し違う映画の物語らしい部分という程度だろうか。そんな小さなことが少し寂しい風景ながらも美しく暖かく繊細に淡々と描かれる。それは悪くないのだが、だがあまりに話が動かないので正直少し退屈もした。
 後半、やっと物語が動き出す。しかしそれでも動きはゆっくりで、子供の目線で子供の時間で進行する。子供の目で見た世界はちょっと神秘的で幻想的。だがやはりちょっと退屈だった。

 カメラワークも子供たちの演技もいい。映像は文学的な崇高さがあるし、アナの存在はとても大きな魅力だし質は高いなと感じるのだが、全体に大きな進展がなく動きもゆっくりで、それほど面白いとは思わなかった。上映時間のおよそ2/3が日常風景の描写では、流石に長すぎて暇を持て余す。映像の良さやそれが醸し出す雰囲気も大切だが、物語も映画には大切。そのあたりがあまり自分の感性に合わなかったのだろう。同じビクトル・エリセ監督で同じような雰囲気の作品でも、「エル・スール」のほうが物語があってずっと良かった。

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Cape God