劇場公開日 2007年1月20日

「ソフィア・コッポラの真骨頂」マリー・アントワネット ジンジャー・ベイカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ソフィア・コッポラの真骨頂

2018年8月14日
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鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

ソフィア・コッポラの作品は本作が私にとって5作目。彼女の他の作品が好きな私にとってはかなり楽しめた。
ストーリーはマリー・アントワネットの半生をモダンなテイストで描いたもの。
まず、伝記映画として見るべきものではなく、ちょっとした青春ドラマだと認識する必要がある。ソフィア・コッポラは実際の事実からかなりデフォルメして表現しているに違いない。それで良かったと思う。ポップな描写が映画全体に一貫して連なり、一つの群像劇として成立していたからである。
本作の特筆すべき点はやはりソフィア・コッポラによる演出である。ソフィア・コッポラ特有の映像美は多くのシーンで垣間見える。自然、色彩、人間を絶妙なバランスで織り交ぜた画を撮るのが上手い。撮影にはかなりこだわっているであろう。
音楽はその時代とは相反する現代のポップス、ロックの曲を用いていたが、その映像にマッチしていたし、統一感があったので良かった。
場所や衣装などからもその優雅な雰囲気が感じられるが、製作費はさぞ膨らんだであろう。
ソフィア・コッポラはこのような作品をこれからも撮っていくだろうと痛感。女性の視点からその感情を映像美豊かに描写するのが好きなのだと思う。
絵画のように眺めているだけでその映像に酔い痴れてしまうのは彼女の作品だけである。

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ジンジャー・ベイカー