劇場公開日 1992年4月25日

「言葉は悪いですが、運転手も乗客もヤベェやつばかり出てきます。」ナイト・オン・ザ・プラネット osincoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5言葉は悪いですが、運転手も乗客もヤベェやつばかり出てきます。

2022年7月25日
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鑑賞方法:映画館

深夜タクシーにまつわる5本立てオムニバス。

●LA
ウィノナ・ライダー演じる柄っぱちドライバー。ガサツな役うまし。人生計画を順調に歩んでいるのだと言えてしまうクール女子。10年後、20年後が見てみたい。
ちょいちょい栗原類くんに見えました。
ジーナ・ロランズが当時60代!バリキャリでハイヒールを颯爽と履きこなす。アメリカ人らしい林檎体型もかっこいい。

●NY
乗客はパリピノリのYOYO。いい人。
ようやく捕まえたタクシードライバーは、東ドイツから来たというヘルムート。イライラポイント満載ながら憎めない。日本なら三國連太郎さんにやってほしい。
義妹のけたたましさが不快。早口スラングのラッシュで、テレビならチャンネル変えてそう。

●パリ
人権問題に少々つっこんだ話。
前半の黒人同士のやり取りは、やや意識が飛んで理解しきれなかったのですが…
とりあえず、モラル欠損気味の黒人オヤジ2人を道の途中で降ろし、次の乗客は"パリの女性は強い"というイメージを強めるキャラクター。
口の悪い盲人女性は、自分の身近にもいらっしゃるのですが、根の純粋さがチラついてチャーミングに思えます。あと、ああいう態度で来られると、気兼ねせず本音の付き合いが出来る気もします。失礼極まりない、何ハラなんのそののドライバーの質問も、そういう感じかな、と思いました。
あと、自分のお師匠の1人も目が不自由なんですが、一緒に山も登るし、慣れてる階段は駆け上がり、駆け降りてきます。

●ローマ
ロベルト・ベニーニがですね、すごいんです。これ、演技…?台本あり…?本気のヤバい人にしか見えません。
話もブラックな上、行動もドン引きです。
司祭じゃないけど司祭さんが不憫な話。

●ヘルシンキ
唯一のまともなドライバー、ミカさん。
3人の酔っ払いが、それぞれの肩にコウベを垂れながら、上手いこと立ってたのがかわいかったです。
ほんとにコイツら金払えんのか…何か起こるんじゃないか、という雰囲気が漂いながら、特に問題なく終了。
連れの2人、アキさんにタクシー代ちょっと返してあげて。
(ミカ&アキ。カウリスマキ兄弟の名前ですね?)

・・・

それにしても、日本ってやっぱりホスピタリティの国なんだなぁと終始考えていました。
客を客とも思わない態度を取ろうもんなら、口コミに書かれるわ、炎上するわで大変な時代ですしね。客が横柄なのもモンスターですし。

私自身、何ハラとか炎上とかイヤだなぁと思いながら、この映画のあちこちで不快に感じてしまったのは、時代に染まり、人格への要求も高くなってしまってるのかしら…

レビューを見たら好意的なものが多いですね。
ジム・ジャームッシュの世界観はおもしろいですが、若い頃に見たらもっと印象が違ったのかな。
他人事だから見てられるけど、自分が乗るのは御免被りたいのでした。

目黒シネマにて『ちょっと思い出しただけ』との二本立て。

osinco
osincoさんのコメント
2022年8月5日

NOBUさん、今晩は。
そうなんです、目黒シネマ、とてもいい二本立てをよくやっているんです!それに加えて、監督のトーク付きとか。
ただ、上映期間が3日とか1週間だったりで…
もし機会があれば是非行ってみてください。

osinco
NOBUさんのコメント
2022年8月5日

今晩は。
 ”目黒シネマにて『ちょっと思い出しただけ』との二本立て。”
 というコメントを見て・・。
 目黒シネマには行った事はありませんが、上映作品をチョイスする方、センスありますなあ、と思いました。では。

NOBU