劇場公開日 1934年11月22日

「スター誕生路線かと思いきや・・・」特急二十世紀 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0スター誕生路線かと思いきや・・・

2020年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 前半は大根役者だと蔑まれていたM・プロツカが“リリー・ガーランド”として大々的に売り出される展開。舞台演出家のオスカー・ジャフィー(ジョン・バリモア)も可笑しな人物で、演出は厳しく熱中するタイプだった。まるで思い付きのようにリリー・ガーランドを女優に仕立て上げたのだ。舞台も大成功。リリーは一躍大スターとなり、大富豪の仲間入り。しかし、自由を求めてハリウッドへと逃げ出すのだった。マックス、オリバー、オーウェンといった脇の人物も面白く、演技の幅を感じました。

 しかし、後半は一転、スターを失ったオスカーは借金まみれとなり、ついには指名手配されるのだ。そして、逃げるように飛び乗った“特急二十世紀”。乗り合わせたオリバー、オーウェンとオスカーは今後のことを相談するが、“REPENT(悔い改めよ)”というシールを列車内に貼りまくる病人クラークが紛れ込んでいて珍道中を繰り返す。そんな列車にハリウッドでも成功していたリリーが新恋人と一緒に乗り込んでいたため、三銃士はもう一度リリーと契約しようと画策するのだった。

 コメディ色は列車に乗るところから強くなり、オスカーの奇行にもうんざりするくらいドタバタとなる。リリーだけは大女優として毅然としているのだが、オスカーの画策によって混乱。さらに、彼らが恋人同士だったことも明らかにされ、演出のため尻に刺された針を大事に持っていたという伏線もある。とりあえず無事に着地したエンディングは面白かった。30~40年頃にハリウッドで流行ったスクリューボール・コメディの中の1本。

kossy