劇場公開日 2007年11月23日

「政治や民族のからむ社会派な作品だが、あくまで個人のことを描いた話」マイティ・ハート 愛と絆 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5政治や民族のからむ社会派な作品だが、あくまで個人のことを描いた話

2013年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

興奮

知的

総合: 75
ストーリー: 65
キャスト: 85
演出: 80
ビジュアル: 75
音楽: 65

 事実を基にした映画だしそれを描くことを重視しているようで、必ずしも起承転結がしっかりしているものではないし、その意味で素晴らしい抑揚がある物語なわけではない。ひどい不幸にみまわれようと、あくまでジャーナリストとして理性的に振る舞う彼女は本当に強く、そんな彼女の姿と事件の展開が描かれる。夫が誘拐された妻とその周囲の人々を描いているので、事件のわりにあまり深い政治的・社会的主題があるとも思わない。それは妻マリアンヌの手記が原作であって、パキスタン側、特に犯罪者側の視点がないのも一因。
 だが演技者のすぐそばでカメラを回す撮影方法と、パキスタンの街中に入って駆け回る人々の臨場感のある演出はとてもよかった。このようなドキュメンタリー調の映像は出演者の演技の良さもあって、緊迫感と関係者の感情を反映していた。特にアンジェリーナ・ジョリーは、心配で押しつぶされそうになる自分の感情を制御しながらも、自分に出来る最大限の努力をする理知的で強い心を持つ女性を上手く演じていて評価できる。捜査や結末を見て本当は言いたいことや思うことはあるだろうが、それでもそんな本当の自分を押し殺して最後まで冷静に振る舞った。だからこそ感情の制御を失ったときの爆発が凄まじい。事件や人物を白板に書いて整理していく方法もジャーナリストがやりそうなことだし、犯人を追跡していくパキスタンの捜査員も迫力があった。

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Cape God