劇場公開日 1942年4月1日

「人間は誰だって分がある。その分を守らにゃならん。」父ありき 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5人間は誰だって分がある。その分を守らにゃならん。

2024年2月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「生誕120年・没後60年記念 フィルムでよみがえる――白と黒の小津安二郎」で上映の一作。古いので画質が悪いのは仕方がないとしても、どうしてもセリフが聴きづらい。これだって精一杯なのだろうけど、話がみえないは困るなあ。でも、そこを我慢すれば笠智衆の若かりし姿はむしろ眼でさえあるし、昔の風景には癒しさえ感じる。そして、言葉は何割か聞き取れないにしても、この父子の深い愛情が画面から染み出ている。その時間を味わうだけで、十分に満足感があった。

栗太郎