劇場公開日 1986年11月22日

「別れ際が実に素晴らしい」ダウン・バイ・ロー 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0別れ際が実に素晴らしい

2021年8月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

モノクロで描かれた、見知らぬ三人のロードムービー。
やはりスクリーンで観れるのはうれしい。
何というか、トムウェイツが若くて格好良いんですよね。
少し前「デッドドントダイ」で見かけたから余計そう思います。
もちろんジョンルーリーやロベルトベニーニも若いんですけどね(でもベニーニはあんまり変わってないような…)
この作品も全体が流れるような静かな構成で、物語も極端な演出はありません。
しかしジャームッシュならではの、この空気が良いんですよね。
カットやちょっとした台詞回しもセンスがあって好きです。
そして「これは脱出劇ではない」とばかりの潔い演出。初めて観た時は「え?」って声が出ました。
そんな付かず離れずな三人の物語の終わり、この別れ際が実に素晴らしい。
三人の仕草までも愛しく、このシーンの為に作った作品ではないでしょうか。
ジャームッシュらしい、実に心地よい作品です。

白波