理想の結婚のレビュー・感想・評価
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イギリス 古典的ラブコメ
原作はオスカー・ワイルドの戯曲「理想の夫」。理想の夫をめぐって、淑女と悪女と賢女が其々の機知にとんだ面白いやり方で火花を散らしていくのですが、なかなか楽しいのです。イギリス上流階級の華やかさの中でケイト・ブランシェットのクラシカルな優雅さが素敵です。また、ルパート・エヴェレットの自堕落的な感じもはまり役です。
そんなにあっさりと終わっちゃうの
総合:65点
ストーリー: 60
キャスト: 70
演出: 70
ビジュアル: 75
音楽: 70
上流階級のパーティーでは紳士淑女が集い、随分と白々しい上辺だけの会話が続く。だがその澄ました顔の裏では、たくさんの利益が絡み陰謀が渦巻いている虚飾の世界。
オスカー・ワイルドの戯曲の映画化だそうです。喜劇ということですが、最初はあまり喜劇という雰囲気ではありません。少なくとも日本人が一般に持つような笑える喜劇という雰囲気ではなく、醜聞に脅迫にとむしろどちらかというと深刻に物語は進みます。
そんな途中までは面白かったのだが、一悶着あったその後は、えっ、こんなことでいいの、と驚くほどあっさりと問題が終わり、それからとんとん拍子で物事がうまく回転して雰囲気もがらりと変わっていく。こんなに軽く進むのならば、このあたりは喜劇だろうか。ちょっとその豹変振りに驚く。何か物語があっさりしすぎているように感じた。
上流社会を描いた作品らしく、衣装やセットなどは絢爛豪華。貴族社会の人々の振る舞いや言葉遣いがそれらしいのもいい。だがチーヴリー婦人が夜にアーサーを訪ねて手紙を見せて結婚の話をちらつかせる場面など、台詞回しなども華麗に流暢に進みすぎる。原作が戯曲らしく、いかにも科白をうまくまわして喋っていますというような場面がところどころにあり、どうもそのあたりに映画としては逆に不自然さを感じてしまう。やはり戯曲は戯曲、映画とは違うかな。
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