劇場公開日 1954年2月6日

「さて、終焉を迎えつつある資本主義の次の姿は?勿論、新しい経済理論が必要」素晴らしき哉、人生! マサシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5さて、終焉を迎えつつある資本主義の次の姿は?勿論、新しい経済理論が必要

2023年1月4日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

主人公が行っていた金融業は、現代の『サブプライムローン』だ。
1930年代の話なので、金融恐慌の真っ只中。
この主人公が生き残れる訳が無い。
さて、最後は正に『クラウドファンディング』。
つまり、この映画の描くところは資本主義の矛盾に翻弄される人生を意味しているのかもしれない。
共感できるのだが、不確かな上に、この家族が『共和党支持者』だと、壁にかけられた『リンカーンの肖像画』から理解できる。
つまり、共和党支持者の資本主義に於ける『経済的バブル』の対処方法と言った所。
この映画は75年前の映画。現代の姿をズバリ言い当てていると感じた。つまり、大団円はあり得ない寓話であるからだ。

さて、終焉を迎えつつある資本主義の次の姿は?勿論、既存の経済理論では無いと思う。

マサシ
Gustavさんのコメント
2023年1月4日

マサシさんへ、こちらこそ今年も宜しくお願いします。

(サブプライムローン)や(クラウドファンディング)のご指摘を受けて、この映画の背景と決着が現代に通じるものを再確認しました。「スミス都へ行く」や「群衆」では、アメリカ民主主義の硬直さと扇動の怖さを批判的に扱いながら、コメディとして上質な映画に仕上げたキャプラ監督ですが、脚本の充実度が前提ですね。ハリウッド映画全盛の1940年代から50年代は、富める者の理想像がまだあり、資本主義の裏表を的確に描きながら資本家をシニカルに視る余裕がありました。現代は企業利益最優先の厳しい資本主義が当たり前になっていると思います。夢を描くのが難しい時代。何か明るい転換があるといいですね。

Gustav