劇場公開日 2024年2月2日

「抜群に魅せ、乗せる♪ が、楽曲により不満も。」ストップ・メイキング・センス レオンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5抜群に魅せ、乗せる♪ が、楽曲により不満も。

2024年2月16日
PCから投稿

高額機材を使わずとも、観客を乗せて魅せる事は出来る証明となるライブ。 "しゃべる頭達" の工夫されたライブは、自らの体を表現の道具としている。
make sense(意味を成す、理にかなう)を止メレって事は、ナンセンスであれって事か♪

↓この曲は中盤で一番盛り上がった初期のヒット曲
「LIFE DURING WARTIME」 くねくねダンスに走りまくって♪
(youtubeで、 Talking Heads &曲タイトルで検索すれば見れます)

初めて彼らを見た方のレビューでも、こんなファンキーなバンドだったとは♪ との記載が如実に表現されている1曲と思う。
(尚、私が1981年に大阪で見たライブでは、これほど走り回ってなかった記憶が♪)

アイデアマンのデビッド・バーンの閃きが具現化されている演出で、金を掛けずとも個性あるステージにする事に成功している。
その魅せ方の素晴らしさや観客との一体感は、他の方レビューにも多く記載されているので、私はファンとして楽曲の事を少々記載する事に。

まず Talking Heads は8枚のオリジナルアルバムを残していて、このライブは5枚目アルバムが発表された直後のライブ。

セットリストは
1.★PSYCHO KILLER (1作目最初のヒット曲)
2.HEAVEN (3枚目メロディアス人気曲)
3.THANK YOU FOR SENDING ME AN ANGEL
4.FOUND A JOB
5.SLIPPERY PEOPLE
6.CITIES
7.★BURNING DOWN THE HOUSE (5作目トップ曲)
8.★LIFE DURING WARTIME (2作目ヒット曲)
9.MAKING FLIPPY FLOPPY
10.SWAMP
11.WHAT A DAY THAT WAS
12.THIS MUST BE THE PLACE(NAIVE MELODY)
13.★ONCE IN A LIFETIME (4作目名曲)
14.BIG BUSINESS /★I ZIMBRA(3作目名曲)
15.GENIUS OF LOVE(TOM TOM CLUB)
16.GIRLFRIEND IS BETTER (5作目)
17.★TAKE ME TO THE RIVER (2作目)
18.★CROSSEYED AND PAINLESS (4作目傑作)

★は楽曲としての完成度が高く、ヒットやそのアルバムでの核となる曲。
18曲中7曲と少ない。
そしてヘッズの名前を一躍有名にした名曲「I ZIMBRA」(14曲目とメドレー)は演奏がラフで魅力が半減している。(サントラ盤にはそれが原因してか入っていない)
アンコール曲の18曲目もスタジオ録音バージョンほどの緻密さが表現されてなく、やや期待ハズレ。

そう、魅せ方はバツグンでも、楽曲を聞き込んでるファンからすれば、かなり不満なライブなのです。 (故に私は★平均よりやや下の評価に)

オリジナルの「I ZIMBRA」を是非、聞いて下さい。↓
(これもyoutubeで聞けます。)
メロディーよりも、はじける電子音と声がこの曲のコアとなり、原始人の雄叫びとも取れる様なイメージが魅力。(歌詞は造語)
ちょっと取っつきにくい曲かなと思いますが、
★「イッ、ズィンブラッ!」とタイトルを一緒に叫びながら、何度が聞いているうちに魅力が伝わります♪

この曲をさらに進化させた作品が4枚目の、
ROCK史に残る傑作アルバム「Remain In Light」
「原始と電子の火花散る出会い!」と題されたアルバムで、原始=アフリカンリズムと電子=シンセサイザー等の電子音が見事に融合され、このアルバムでしか聞けない、ユニークかつアグレッシブな唯一無二の楽曲が並んでいる。

このアルバムもyoutubeで全曲、聞けます♪
そのページコメント3番目の方が、曲毎にタイムスタンプを記載してるので、05:48 等の数字をクリックすればその曲に飛べます。

1.Born Under Punches (The Heat Goes On)
2.Crosseyed And Painless (本作アンコール曲)
3.The Great Curve
4.Once In A Lifetime (本作13曲目)
(5曲目以後は凡作なので上記4曲がオススメ)
2と4は本作でも演奏されているが、このスタジオ録音版が遙かに緻密!

恐らく2~3回聞いた段階では、メロディーパートが少なくやたら電子音がゴチャゴチャとして変な曲・・・。ぐらいにしか感じないと思うが、
リピートが増す毎に、耳に残るフレーズや音が増えていき、聞くほどに魅力が増す、スルメ曲です♪
特に3曲目はスピードもあるナンバーで、途中なんとメロディーもフレーズも違う3つのボーカルが重なる! ビート重視の曲でこんな曲は後にも先にもこの曲以外で聞いた事がない希少な名曲です。
(後期ライブでは、よくアンコールで演奏されています)

是非、お気に召すか試して下さい。
1週間以上聞き続けないと、よさが伝わらないかもしれませんが・・。

レオン