パフューム ある人殺しの物語のレビュー・感想・評価
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怖くて美しい作品
最高の香水を作るために次々と女性を殺し、その体臭を集めていく調合師のお話。
殺人の目的が彼にとってあまりにも純粋なだけに、人間に対する感情があまり感じられず怖いです。お話も淡々と進んでいくので、ハリウッドのメリハリのある映画手法に慣れていると眠くなっちゃうかも。
でも死刑寸前で出来上がった香水を一振りした時の映像の美しさといったら、官能的で美しく中世の絵画のよう!香りがない映画なのに、その香りが漂ってくるような錯覚に陥ってしまいました。
ネタバレしちゃうので最後は書けませんが、数奇な彼の運命を見て欲しいなと思います。
好き嫌いがはっきり分かれる映画だと思うので、観る人は覚悟をして観てくださいね。
思っていたより…
香水がテーマということで、美しさとか、綺麗さを重視して作られた映画だと勝手に思っていたのですが、実際に見てみると、そんなことはなく、むしろリアルに汚い世界までも描いたなという印象でした。
他の方も言っておられますが、本当に好みが分かれると思います。主人公に感情移入できるか、どうかでしょうね。彼を気持ち悪い奴だと思ってしまったら、あまり楽しめないかもしれません、私みたいに(笑)
好き嫌いはあるかもしれません
香水がキーワードということで、映像と音楽で香りを見事に想像させます。
○○の甘い香りにドキドキしたり、魚市場のシーンは非常に臭そうだったり。香水の調合が進むごとにオーケストラのパートが増えていく手法が非常に素晴らしいです。この劇中音楽は、ベルリンフィルが演奏しているそう。
主人公がある目的から連続殺人をするのですが、神出鬼没過ぎて恐ろしいです。女性側の視点のシーンはまるでジェイソンかなんか見ている気分に。
でもこの主人公、極悪殺人犯だというのにどうにも憎みきれない。動機があまりにも純粋だからでしょうか?まるで子供みたいで。主役のベン・ウィショーは怪演。ひょろりと伸びた首に小さい頭が載っていて、目を見開いてペタペタ歩く。その幼さも感じさせる一種異様な姿は、役柄そのものでした。
終盤の予測できない展開にハラハラさせられました。中盤あたりの想定範囲内のストーリーも、狙われた女性の父親(アラン・リックマン)に感情移入させることで、ハラハラ感を高めてきます。
ハンカチで弧を描き香水を群集に嗅がせるシーンがもっとも印象に残りました。群集がバタバタ倒れていく様子は笑っちゃうけれどしびれます。
そして最後に主人公の強烈な孤独を見ました。
突っ込もうと思えばいくらでもって感じではあるんですが、たまに笑いを堪えながらも引き込まれました。
好き嫌いはあるかもしれません。
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