劇場公開日 2004年4月10日

「美術の謎に対する一つの解釈だが、ちょっと時間を持て余す」真珠の耳飾りの少女 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0美術の謎に対する一つの解釈だが、ちょっと時間を持て余す

2014年1月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、TV地上波

知的

総合60点 ( ストーリー:60点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )

 フェルメール作品を分析して、光がどの角度からどのように当たっているのか、絵はどのような状況を描いているのか、使われている絵具は何かなどということを明らかにする研究家がいる。この作品はそのような数々の研究成果を劇中にひっそりといくつも取り入れていて、美術好き・フェルメール好きな人には美術的観点から興味深い点もあるだろう。場面場面にフェルメール作品を意識したと思われる情景をそのまま映してくるのも、それらへの造詣が窺われる。
 自分もフェルメール作品が好きで「真珠の耳飾りの少女」が収蔵されているマウリッツハイスをはじめとする美術館を見て歩いているので、その意味では再現された当時の生活と雰囲気も合わせて楽しめた部分もあった。

 でも物語としてはそれほど大きなこともなくて、美的感覚を共有した大天才画家と少女の二人の一瞬の触れ合いと、この謎多き絵画誕生の一つの解釈だけ。実際は絵の中の少女が誰なのかは未だにわかっていないのでこれはこれでいいのだが、ちょっと時間を持て余し気味だった。

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Cape God