劇場公開日 2004年4月10日

「【”光の絵画”若きスカーレット・ヨハンソンの横顔が「真珠の耳飾りの少女」に見えた品性高き作品。フェルメールを演じたコリン・ファースの長髪ハンサムな姿も魅力的である作品でもある。。】」真珠の耳飾りの少女 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”光の絵画”若きスカーレット・ヨハンソンの横顔が「真珠の耳飾りの少女」に見えた品性高き作品。フェルメールを演じたコリン・ファースの長髪ハンサムな姿も魅力的である作品でもある。。】

2022年2月22日
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ー 舞台は、1665年オランダ・デルフト。
  フェルメールの使用人としてやって来た少女グリート(スカーレット・ヨハンソン)が、その優れた色彩感覚をフェルメールに認められ、妻に内緒で彼の絵のモデルを引き受ける姿を、フェルメールの妻の嫉妬心、女たらしのパトロンのファン・ライフェン(トム・ウィルキンソン)、グリートと恋仲になる肉屋の息子ピーター(キリアン・マーフィ)の姿を絡めて描き出した作品。-

◆感想

 ・グリートは、学は無いがタイル絵師の父の血を引いたのか、色彩感覚や絵を描く際の光の加減のセンスに長けているシーンが、序盤彼女がフェルメールの画室を掃除する際に、何気なく描かれている。

 ・そんな彼女の才能に気付いたフェルメール(コリン・ファース)が、彼女に絵の具を買ってくるように依頼した時の台詞。
 字幕では、”群青”と出るが、コリン・ファースは”ラピスラズリ”と言っている。ウルトラマリンとも呼ばれる鮮やかな青を出す高価な鉱石である。
 そして、その青が「真珠の耳飾りの少女」のターバンの鮮やかな青になっているのである。

 ・フェルメールがグリートに、絵の具の調合を手伝わせるようになり、アトリエに籠る事で、世間やフェルメールの妻は猜疑心に駆られていく。
 - 劇中、フェルメールの娘がグリートに、嫌がらせをするシーンが描かれるが、妻と同じく自分をモデルにしない父への反発心であろう。ー

 ・そして、フェルメールがグリートをモデルにする事を決め、”妻の耳飾り”を付けるために、グリートの片耳にピアッシングするシーンはエロティシズムさえ、感じさせる。

<若きコリン・ファース、キリアン・マーフィという英国俳優の姿も印象的な、品性高き作品。
真の芸術家の審美眼と、貧しくとも光の加減や色彩感覚の優れた少女が生み出した「真珠の耳飾りの少女」
 芸術性溢れる、魅力的な作品である。>

NOBU