劇場公開日 2005年5月28日

「VS クリント・イーストウッド監督‼️最終12ラウンドまで‼️」ミリオンダラー・ベイビー 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0VS クリント・イーストウッド監督‼️最終12ラウンドまで‼️

2023年11月13日
スマートフォンから投稿

泣ける

悲しい

興奮

この作品はボクシングを通じて描かれる一人の女性ボクサーと老トレーナーの残酷で崇高な人生のドラマ‼️ロサンゼルスで寂れたボクシングジムを経営するフランキーは、ジムに入門したいマギーという女性ボクサーを一度は拒否するが、やがてコーチすることに。マギーはメキメキと頭角を現し、連戦連勝。遂に反則技で名高いチャンピオンの "青い熊" ビリーと戦うことに。優位に試合を運ぶマギーに、ビリーの反則パンチが命中、コーナーにあった椅子に首を打ちつけ、マギーは全身不随になってしまう・・・。全12ラウンド、2時間13分‼️我々は監督クリント・イーストウッドの多彩な攻撃によって、見事リングに沈められてしまいます‼️モーガン・フリーマンの語り、ナレーションによって展開し、イーストウッド自らが担当する素晴らしいジャズの響きが、この重厚な物語(試合)を一生忘れられない、そして一生残るであろう痛みとして我々の身体に刻んでくれるのです‼️フランキーはせっかく育てたボクサーに他のジムへ移られ、そんな時に入門してきたマギー。娘とも絶縁していたフランキーはマギーに娘の姿を重ね合わせたのでしょう、熱血指導が実を結び、マギーが次々と対戦相手を打ち破っていく‼️試合のシーンのカタルシスや、フランキーとマギーの交流が印象深い前半は、まるであの「ロッキー」を彷彿とさせる素晴らしさで、イーストウッド監督は的確なジャブを観客に打ち込んで来ます‼️マギーが疎遠だった母と妹に家をプレゼントするも、「生活保護が打ち切られる」と、逆に文句を言われるシーンのマギーの表情‼️切ないです‼️そしていよいよチャンピオンへの挑戦‼️チャンピオンは反則技で有名な "青い熊" ビリー‼️このビリーに扮するルシア・ライカは実際のプロボクサーで、見るからに憎たらしい顔つき‼️そのビリーがラウンド終了直後に放った反則パンチでマギーが首を骨折、全身麻痺になってしまう‼️この強烈なストレートパンチでイーストウッド監督は観客を絶望のどん底へと叩き落としてくれます‼️完治の見込みがないマギーは家族からも見放される‼️ボディーブロー効いてます‼️安楽死の手助けをフランキーに断られたマギーは舌を噛み切って自殺を図る‼️かなりボディーブロー効いてます‼️フランキーが友人エディに泣きながら心中を語るシーン‼️イーストウッド情感むき出しの名演技‼️ボディーブロー効きすぎてフラフラ‼️そして夜中に病院のマギーの元へ行くフランキー‼️「いいね?」と問うフランキー。涙を流して頷くマギー。フランキーがマギーへ贈ったガウンに綴られた言葉「モ・クシュラ」の意味。「愛する人よ。お前は私の血」‼️そしてマギーにキス、呼吸装置をOFFにし、アドレナリンを注射するフランキー‼️トドメのカウンターパンチで完全にKOされる観客たち‼️ラスト、姿を消して戻ってこないフランキー‼️ひょっとしたらマギーの後を追い、天国で二人でレモンパイを食べてるのかもしれない‼️そんな想像を抱かせる、美しすぎる試合の幕切れ‼️勝者はクリント・イーストウッド監督‼️

活動写真愛好家