劇場公開日 2005年12月17日

「超有名戦艦に搭乗した名もなき兵士たちの戦争」男たちの大和 YAMATO Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5超有名戦艦に搭乗した名もなき兵士たちの戦争

2013年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

難しい

総合70点 ( ストーリー:75点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )

 大和という巨大戦艦が登場しながら、描かれる中心は艦内の下士官と兵士たちで、戦争における戦術が細かく取り上げられるわけではない。戦闘艦としての大和のこともそれほど描写されないしこれならば別に大和である必然性はないような気もするが、名もなき一般兵士と彼らに密接な一般市民という目線で戦争を描くのはありだと思う。当時の人々の市井での生活や戦争に対する心構えや軍隊での日常、そして実戦を経験して死に直面し終戦を迎えた辛苦は表現されていた。平和な時代を生きられて幸せだとつくづく思う。
 しかし作品の冒頭、鹿児島から船を借りようとする場面、あまりに状況を説明しようとしすぎる科白や演出にはかなり白けた。これはもうちょっと何とかならないものか。だが過去の話から現代に再び帰ってきた最後のほうは、それまでの経過を踏まえて良いと思えた。

 大和の実物大模型を尾道の造船所に製作した美術は大掛かりだが、作り込みは必ずしも最高とは言えないし、戦闘場面を中心にCGはまだまだ。努力は認めるが、作り物感が滲み出てしまう。でもこの映画は戦闘の迫力に重点を置いているのではないだろうから、こんなものだろうと割り切った。実は尾道までこの大和の模型を見学に行ったのだが、出来の質感はともかくとして大和の大きさを漠然と捉え実感するにはいい体験だった。

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Cape God