劇場公開日 2006年6月3日

花よりもなほのレビュー・感想・評価

全15件を表示

4.0貧乏長屋のバイタリティー

2023年11月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

是枝作品では苦しみつつも生き抜こうとする姿が心を揺さぶるパターンが多い印象だけど、そういった辛さや厳しさが抜けて貧しくても逞しく生活するのがいいね。冒頭のシーンなんかその典型かな。貧乏長屋のメンバーが順番に登場し、江戸落語調で気に入った。お囃子と水浴びのシーンが謎で、ちょいと分からなかったけど。
宮沢りえが良かったなあ。むさ苦しい男ばかりの中、田畑智子と夏川結衣と三人んは得したね。全般的にキャストが充実していて、それだけでも観る価値ありかな。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Bluetom2020

3.0人間の面白さとお笑い的面白さの見事な融合

2022年7月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

楽しい

評価は低いけど、大好きな是枝監督作品!低いのは読解力のせい…。人が!多すぎる!泣
でも、今までにない庶民(貧乏)の日常にスポットを当てた時代劇で新鮮!

江戸が舞台なのに戦はないし、算数侍のような裏方系でもない。なので、全然今までと違う時代劇なので人によってはがっかりするかも。

でも、人間を描くのが超一流の是枝監督。是枝作、江戸時代の人情劇なのでおもしろくないはずない!

貧乏長屋に住む個性豊かな人々のストーリー。それぞれの人物は本当に魅力的!俳優陣も豪華で見応えアリ!
ただ、多すぎてごちゃごちゃした印象は否めない…。勿体ないけど、エピソードが多すぎて分かりづらい印象。

是枝監督は数人に絞って、その関係性やその人物を深掘りするのが上手いと思っている。
岡田准一演じる、剣術が苦手なのに敵討ちをしようとする侍始め、大小ズレた人々が集いあって楽しく暮らしている様は観客に幸せを与える。
敵討ちは成功するのかしないのかが主題だけど、そう来たか!な展開が是枝流だった。

社会派・是枝監督なのに全く重苦しさはなく、人情溢れるお笑い的おもしろさと人間の面白味の融合は見事。
セリフが聞き取りにくく、分らないまま進んでいくストレスがあったものの、幸せな気分になれる一本です。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
りりまる

5.0韓国人以外の犬好きは決して観ないで下さい

2022年6月5日
スマートフォンから投稿

笑える

楽しい

幸せ

過去数回鑑賞

2006年公開作品

監督と脚本は『誰も知らない』『空気人形』『そして父になる』『海街diary』『海よりもまだ深く』『三度目の殺人』『万引き家族』『真実』の是枝裕和

父の仇討ちのため信州松本から江戸にやって来て貧乏長屋に住んで数年経つ侍の話
敵討ちといっても剣の腕はからっきし
もっぱら読み書き算術など学問の方が得意で長屋にて寺子屋の真似事をしている
妻子ある仇を斬ることができずしまいには貧乏長屋劇団総出で与力の前で仇を討ったと一芝居を打ちまんまと騙す始末

敵討ちを題材としたコメディー

やりとりで笑えるところ多し
おさえが筆の意味を勘違いしたところ
饅頭だけに良い「あん」ってところ
この二つのシーンが特に好き

是枝監督なりの『どん底』
とにかく明るいどん底

時代劇ってやっぱり大好き

父の仇討ちのため信州松本から江戸にやって来て数年経つ宗左こと青木宗左衛門に岡田准一
夫は肺の病で他界し息子進之介と一緒に長屋住まい・おさえに宮沢りえ
長屋に住んでいる貞四郎に古田新太
お城勤めを目指す長屋住まいの浪人・平野次郎左衛門に香川照之
長屋住まいのおのぶに田畑智子
おのぶの父・善蔵に平泉成
長屋住まいの乙吉に上島竜兵
乙吉の母・お勝に絵沢萠子
長屋住まいの留吉に千原靖史
長屋住まいの孫三郎に木村祐一
長屋住まいでやさぐれ感は半端なく宗左をコテンパンに負かしてしまうヤクザ者そで吉に加瀬亮
元吉原で大家の新妻・おりょうに夏川結衣
長屋の大家・伊勢勘に國村隼
花見の余興の脚本を書く重八に中村嘉葎雄
宗左のおじ青木庄三郎に石橋蓮司
宗左のおじで庄三郎の兄・青木庄二郎に南方英二
宗左の弟で松本にて剣術の指南を勤める青木宗右衛門に勝地涼
父の仇・金沢十兵衛に浅野忠信
長屋の人々に騙される与力にトミーズ雅
偽医者で長屋住まいの赤穂浪士・小野寺十内に原田芳雄
偽薬売りで長屋住まいの赤穂浪士・寺坂吉右衛門に寺島進
長屋住まいの赤穂浪士・神崎与五郎に中村有志
長屋住まいの赤穂浪士・鈴田重八郎に遠藤憲一
長屋住まいの赤穂浪士・横川勘平に田中哲司

コメントする (0件)
共感した! 0件)
野川新栄

3.0ほんわか時代劇

2022年5月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

是枝裕和監督が、時代劇を撮っていたなんて、レアな感じ。ほんわかしつつも、長屋のボロさや、人物の汚さが妙にリアル。あんなにガタガタでは、冬は相当寒いだろうなー。

登場人物それぞれの過去を、ちらりと見せてくれるのだが、それが物語の何かに集約されるわけではない。生きてりゃ色々あるだろうとは思うが、少々「それで?どうなるの?」とツッコミたくなった。でも、恨むより前を見て歩く方が、人生楽しいだろうね。

BS日テレ特選時代劇を録画して視聴。

コメントする 1件)
共感した! 0件)
ぷにゃぷにゃ

3.5意外な顛末で一件落着

2022年3月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

岡田准一扮する青木宗左衛門は、親の仇討ちのため貧乏長屋暮らしをしていた。宗左右衛門は腕もなく人を斬った事もなく仕送りも尽きてきたので寺子屋で生活していた。向かいには夫を亡くした宮沢りえ扮するおさえが息子と住んでいた。
岡田准一主演作だが今回は仇を見つけながらもやり過ごすダメ侍。それでも意外な顛末で一件落着したね。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
重

3.0仇討ちの是非。 是枝監督作品ということで期待したが、これは残念賞。...

2020年10月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

仇討ちの是非。
是枝監督作品ということで期待したが、これは残念賞。芸人たちの多用もあってか、重厚さが全くない。かといってコメディとしても振り切れていない感じ。宮沢りえの台詞が肝なのだが、どうも説教くさく聞こえる。赤穂浪士茶化した感も好きではなかった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
はむひろみ

3.0脇役加瀬亮の演技にクギ付け

2020年5月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

仇討ちを主題にしながらも、時代考証に立脚した深刻さを目的にはせず、長屋住人の人情に焦点を当てた喜劇。テレビドラマ「SP」の2年前の岡田准一の演技は、アイドル出身の俳優では別格の表現力であった。演出と作品の完成度に批判は無い。脇を固める芸人たちの芝居以外不満はない。貧しき者が助けあう生きる強かさのユーモアは充分伝わるし、スコットランド風音楽の使用も奇抜で独特な味わいがある。しかし、この映画で何が素晴らしいかといえば、加瀬亮の演技だ。脇役の為一エピソードだが、遊女との話は一本の映画作品にする価値がある。真面目に日本映画を観てきている訳でもないのに、それでも日本の俳優で感心することは、ここ20年で無かった。香川照之と加瀬亮、このふたりの演技が観られる幸福感。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
Gustav

5.0世界の是枝監督×若手俳優(当時)・岡田准一のタッグで送る人情時代劇

2019年7月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

あの是枝監督と後に日本アカデミー賞主演男優・助演男優賞W受賞した岡田准一がタッグを組むとは当時の人達は期待していたと思います。
特に人を切らず生きた貧乏侍(岡田准一)の日々の姿に支えた妻(宮沢りえ)などの姿に共感しました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
HIDE Your Eyes

4.0風さそふ 花よりもなほ 我はまた 春の名残をいかにとやせん

2018年11月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 カンヌで男優賞を獲得させた是枝監督の次回作が時代劇!?ということで、期待と不安でいっぱいでした。基本的には庶民派のコメディ時代劇ですが、江戸が舞台であっても貧乏長屋が中心で、とても「花のお江戸」という言葉が似つかわしくないほどの汚いセット。長屋の傾きも『チャーリーとチョコレート工場』ほどでなないにしろ、今にも倒れてしまいそうな佇まい。父の仇を討つのが目的でその長屋に住みついた青木宗左衛門(岡田准一)が中心人物だ。剣術も喧嘩もまったく弱い主人公という設定に関しては、故松田優作主演の『ひとごろし』という映画でも臆病な侍が主人公でしたが、あくまでも仇討ちを避けたいという点ではこの『花よりもなほ』のほうが平和的でほのぼのしています。

 長屋の住民にはほのかに恋心をよせる未亡人おさえ(宮沢りえ)や遊び人貞四郎(古田新太)、切腹マニアの浪人(香川照之)等々。そして重要な伏線となるのは、吉良上野介を討つという宿命を背負った浅野側の家臣たちも隠れていて、宗左の仇討ちと赤穂の仇討ちが見事にからまっていたことです。

 9.11テロ以降には復讐の連鎖をテーマにした映画が数多く作られてきていますが、この映画ではそれを喜劇風に表現し、復讐しない道を考えるといった平和への願いも感じ取れます。天下泰平の世の中、仇討ちをするというヒーロー像を求める風潮があっても「逃げることも一つの手段」だと捉えることができるのかもしれません。

 数多く映画化された赤穂浪士の話は大好きなのですが、それを「引退した老人の寝込みを襲う」といった風刺があっても全く嫌味に聞こえない。それよりも寺坂吉右衛門が討ち入りに参加せず切腹しないで済んだという史実へのこだわりも感じられ、彼の親子愛にほろりとしてしまいました。そして、将軍綱吉の生類憐れみの令の時代。韓国映画で犬を食べるシーンでは嫌悪感いっぱいでしたが、この映画においてお犬様を食べてしまっても爽快感が味わえる・・・でもないか・・・

 木村祐一の「クソからもちが出来る」というお笑い伏線も用意されていましたが、クソのキレが悪い平泉成のように、ちょっとだけコメディのキレの悪さも感じてしまいました・・・だけど、社会派時代劇としてはなかなかのものでした。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
kossy

3.0人情劇として楽しめる映画

2017年11月18日
PCから投稿

是枝監督の時代劇ということで、興味を持って見たが、ほのぼのとしたストーリー。少し、役者のキャラクターに頼りすぎているところはあるが、江戸時代の人たちもこんな風に普通に笑ったり、楽しんだりして生きていたんだろうなあと思った。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
七星 亜李

4.0江戸時代の武士・・

2016年10月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

知的

是枝監督の作品。武士の生き方をテーマにしている。忠臣蔵の赤穂浪士47士は敵討ちの為に、身分を隠して潜んでいた。戦国時代も終わり、武士は敵討ち以外は剣術で闘うことも無くなった。主人公は父親の敵討ちの目的だけに江戸の長屋で生活していた。主人公に岡田准一、学問は得意だが剣術が苦手な武士。しかし、長屋の住人らの人情に触れ、父親の敵討ちを目的とした人生に変化が・・監督らしい人の情けの機微に触れた丁寧な作品。好感が持てた。宮沢りえがキレイだった(笑)2006年の作品。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
亮一君

3.5固定観念を離れること

2015年8月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

登場人物それぞれの人柄や性格まで見えてきて、助け合い仲良く生活していてほのぼのとする。
江戸時代の人々の考え方は、今と違うところも多かったと思うけれど、敵討ちが認められる世の中で、それをしないという選択をすることは、勇気のいることだろうと思った。仇である者にも家族があり、その家族を思いやり、別の関係性を探すところが清々しかった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
由由

3.0お笑いかと思ってたので

2014年9月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

寝られる

あんまり内容を読まずに、出演が芸人さん多かったから、お笑いかと思ってた。
そしたら、のんびり人の情の変化を描く映画やったので、期待と違った感じになってしまった。
宮沢りえはキレイ。古田新太ええ味出すわ〜

コメントする (0件)
共感した! 0件)
しま

2.5悪くは無かったが

2014年8月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

幸せ

キャストや話しの内容などが一つに絞れておらず色々てんこ盛り過ぎて、逆に全体を通してみると、大爆笑出来るわけでも無く、感動して泣けるわけでも無くて、感情に訴える部分が薄くなってしまっていたように感じる。

ストーリーのテーマとしてはとても好きだし、各俳優さん達も良い演技をされていたので、少しもったいなく思いました。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
きゃな

4.0魅力的な役者たちのアンサンブルだけでも楽しめる

2007年10月8日

笑える

楽しい

幸せ

TVドキュメンタリー出身の是枝監督が、初めて挑んだ人情時代劇「花よりもなほ」は、誰もが気軽に楽しめる1本だ。

 実話をベースに物語を紡いだ「ディスタンス」と「誰も知らない」は結局見逃してしまったので、その両作品との比較は一概にできないが、人間の「いとおかしさ」を見つめる是枝監督の視線は、例え題材が時代劇に変わっても「ワンダフルライフ」の頃から変わらず優しく、そして温かい。

 欲を言えば、劇中の話し言葉が現代の言葉に近かったのと、サブキャラ(例えば、加瀬亮と夏川結衣)の物語まで盛り込みすぎていて、その分、映画全体のテンポが悪くなったように感じるのが残念だが、「タイガー&ドラゴン」で意外な(?失礼)芝居のセンスの良さを見せつけた岡田准一をはじめ、実力派の古田新太や平泉成、エンケン、寺島進、香川照之、國村隼、原田芳雄、それから芸人の上島竜平やキム兄、それから千原兄弟のぶっさいくな方などなど、出てくる役者がとにかく魅力的で、彼らの掛け合いを観ているだけでも楽しめること請け合いだ。

 中でも秀逸だったのは、美しい未亡人に扮した宮沢りえと、加瀬亮扮するチンピラに恋する長屋の娘を演じた田畑智子。男ばかりのむさい映画に、文字どおり可憐な花を咲かせている。

 最後に評するなら、決して傑作ではないとは思うが、心がホンワカと温かくなる秀作であると思う。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
ダース平太