劇場公開日 2007年1月20日

「ゴアと聞いて『マグマ大使』を思い出すのは日本人だけだ」不都合な真実 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ゴアと聞いて『マグマ大使』を思い出すのは日本人だけだ

2019年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 2005年は最も暑かった年だったとゴア氏は語ってましたけど、現段階において戦後最高の暖冬を記録している今年の日本も凄い記録を作りそうです。関心を持たざるを得ない映画と言えるでしょう。とは言いつつも、高台に住んでいる者にとっては水位が上がろうとも家が水没することはないと高を括っていました。上がり続ける気温のせいで生態系の激変、新種の伝染病の蔓延、その他様々な悪影響が地球全体を襲ってしまう・・・何しろここまで二酸化炭素が増えたことは地球史においてなかったことなので、50年後には何が起こるかわかりません。

 そんな恐ろしい内容の講演を淡々と説き続けるゴア氏。大統領選でブッシュに敗れたことから立ち直り自分のライフワークを見つけたと自虐ネタとも思えるくらい、真摯に訴えてくるのです。時折挿まれるブッシュ映像にも憤りを感じます。金の延べ棒と地球を天秤にかけた映像などは経済を最優先させる愚かな政治家たちをわかりやすく解説してくれました。

 車の排気ガスの問題などよりは、人口増加の問題が一番興味深いところでした。たまたま『ダラスの暑い日』をビデオで見たのですが、アメリカの政治家やCIAや政府高官たちはとにかく人口を減らしたいことがわかります。ゴア氏がどう考えてるのかまで深くは言及していませんが、人口がこのまま増えることはいいことだと思ってないはずです。この点では某柳沢大臣などの日本の政治家と全く逆なのかもしれません。

 アメリカの二大政党である共和党と民主党、どちらの大統領が選ばれてもそれほど世界情勢まで影響はないと思ってるのですが、さすがに戦争が大好きなブッシュとは違い、ゴア氏が大統領になっていれば違っていたでしょうね。だけど、この講演の締めくくりも「政治力」によって解決したいと言うところに違和感が残りました。全人類一人一人の努力によって環境を変えなければならないのに、元政治家だけが頑張ってるのでは裏があるような気がしてならない。彼自身が後継者となるべく賛同者を組織化して講演会を地球規模で広めていかねばならないのだろうなぁ・・・

kossy