劇場公開日 1974年9月28日

「憎めない半端なノリの数々を満喫」サンダーボルト はむちん2さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0憎めない半端なノリの数々を満喫

2023年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ワイルドなイメージがあるイーストウッドなので、髪をピッチリ「7:3分け」してる牧師姿に違和感を感じながらスタートした(苦笑)

いつの間にか、いつもの風貌に戻りJ.ブリッジスとは・・・
「中古車盗難で逃走」+「牧師として説教中に何者かに銃撃され逃走」という偶然逃走同士の縁になる面白みがある。

カフェ店員に「ご注文は?」「君だよ」とJ.ブリッジスはかなりお気楽なキャラだったため、コミカルなアクション映画と確信する展開。
そして、なぜイーストウッドは狙われているのか、わからないまま進んでいくので映画に引き込まれる興味材料にもなった。
しばし逃げながらドライブ景色を堪能できる演出を挟み、追ってきたジョージ・ケネディとは中途半端なアクションコメディで笑えるような笑えないような、古いコメディなのか斬新な展開なのか観てて混同してしまった。殺すの?単なるケンカ?...そう思ってたら「ところでよ」て感じに、川でダラダラ金の話してくつろいじゃう^^

4人でドライブ状態になってからは、古いコントを見ているような感覚が強くなった。金庫破りの調査か軍資金のためか、アイスクリーム屋・工場・デパートの清掃員・庭の草むしり? ...もう何だかよくわからんノリで、いい意味で真面目に観るのはやめ、場面場面を楽しむことにした。

犯行中も
J.ブリッジスの女装、腎臓弱くておしっこ漏れそう、ドライブインシアターの雰囲気、勝手なジョージ・ケネディのカーアクションと見所は多く、生き残ったイーストウッドはどうなったのか気になりますが、総じて味のあるコミカルな話でした。

ダーティハリーのような息詰まるアクションはありませんから、ジャケは少し「詐欺ってる」とも言えます。しかし、ニューシネマとして楽しむには数々の面白い場面がありますので、もう一度観たくなる映画でした。

「つまらない」と感じるのは、もったいない。
 ラブコメに押されがちな現代で、男の情をどこか切なくコミカルに描いた映画を風化してはならないとも思いました。

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はむちん2