劇場公開日 2005年6月29日

「紙一重の名(迷)作じゃないでしょうか」宇宙戦争 あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0紙一重の名(迷)作じゃないでしょうか

2011年7月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

怖い

興奮

2005年アメリカ映画。117分。2011年27本目の作品。かねてから悪評高かったスピルバーグ&トム・クルーズによるリメイク版。TUTAYAで100円レンタルしました。

内容は:

1,主人公の男は離婚した妻との間の2人の子供を週末預かることになる。
2,宇宙人が地球を襲来する。
3,男は子供をつれてひたすら逃げる。

「プライベートライアン」を彷彿とさせるゲリラ戦的な映像といい、フェリーニを思わせる研ぎ澄まされた映像感覚といい、ハッとひらめくような演出といい、そして最後のやっちまった的なエンディングといい本作はスピルバーグらしさが十分すぎるほど発揮されています。

それでもたくさんの人が怒ったのは、あのラストで見せた急にやる気のなくなった展開&演出と、たぶんちょっぴりのスピルバーグへのやっかみではないでしょうか。

スピルバーグの演出はインスピレーションそのものだと思う。絵コンテを使用せず、早撮りで有名な彼の映像美はストーリーラインとは関係なくちょっとしたところでハッとさせられます。だから、本作の破綻してるストーリーは彼でなければもっと駄作だったと思います。

あのラストには、原作のメッセージ性を尊重した故に収集がつかなくなり、半ばやけくそだった現場の苦労ぶりが伝わり、これはこれでニンマリした。個人的にはあのトホホなラストはOKです。

それにしても、トム・クルーズは駄目男がぴったりですね。

あんゆ~る