梟 フクロウのレビュー・感想・評価
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予想とは違っていたものの…
事前情報は、舞台が李氏朝鮮時代の話らしいということと、ポスターのインパクトあるビジュアルのみ。だから、てっきり「春琴抄」的な宮廷の悲恋物語か、「仕掛人藤枝梅安」の韓国版的なものと思っていたら全く違っていた。史実に残された不可思議な死に対する歴史ミステリ+特殊設定サスペンスといった風情なのだ。
盲目の天才鍼師ギョンスは、病気の弟を救うため、誰にも言えない秘密を抱えながら宮廷で働いている。しかし、ある夜、王の子の死を“目撃”し、恐ろしくもおぞましい真実に直面する。権力争いに巻き込まれ、追われる身となったギョンスは、それでも謎めいた死の真相を暴くために奔走する。
この秘密というのが、全盲ではなく“明るい所では見えないが、暗い所ではうっすらと見える”という特殊性。思いっきりネタ晴らししてるじゃないかと思われそうだが、この仕掛けがメイントリックというわけではない。むしろ周囲から盲目と思いこまれているが故に嫌疑を逃れたり、自分だけ夜目が利くことから危機を脱したりと、サスペンスを盛り上げるのに一役買っている。だからネタを知っていても面白さが損なわれることはない。「梟」というタイトルはそういう意味だったのか、と唸らされることだろう。
前半はギョンスが如何にして宮廷に呼ばれ、鍼師として重用されていくかという、いわば昼の世界。それが王の子の死を目撃してからは、ほとんどが夜の描写となり、観る者もギョンス同様サスペンスフルな闇の世界を体験することになる(暗闇だが、見せるべき所はちゃんと写すカメラワーク)。この明暗の使い分けがとても上手い。途中、真犯人の残した証拠品を拾おうと焦る場面も、ヒッチコックの「見知らぬ乗客」を彷彿させ、なかなかスリリングだ。
もちろんストーリーも、犯人の濡れ衣を着せられたり、善人と思われていた者が悪人だったり、誰が敵か味方か分からない裏切りと謀略の連続で二転三転。そして、クライマックスにおけるギョンスがとった行動と因果応報的ラスト。史実だけに覆らない部分は好き嫌いが別れそうだが、それでも上質のエンターテインメントであることは間違いない。
最初のエンドタイトル
の勇壮な感じと、柄本佑似の主人公の仲々踏み込めない感じがそぐわない。もう少し後日談をちゃんと描いてほしかったし、視えると解ってから結構ぐだぐだ。まぁ“卑しい者だから”と二の足を踏む感じは、珍しくて悪くなかったです。
一寸の虫にも五分の魂
「仁祖実録」の記述を元にしたサスペンス。
映画の始めに出てくる世子の死に関わる記載はものすごく陰謀臭い話で、これでサスペンス映画撮れそう、という発想が分かる。
韓国の時代劇を見たのは初めて。
衣装や調度、豪華でお金をかけたんだろうと思う。
主人公を盲人にしたアイデアが良く、それを上手く使っていた。
冒頭の、子供を背負って走る男性の描写がどこにつながるのかと思った。主人公は盲目ではなかったか? あんなに走っているのは別の男なのか、または盲人ではなかったのか。
冒頭からサスペンスの様相で引き込まれる。
主人公は病気の弟を抱えた天才鍼医で、前半は彼の出世物語風だが、宮廷に入ってからは陰謀渦巻くドロドロの権力抗争、ギョンスはなまじ腕が良かったために奥の一族に気に入られ、世子の人間性に触れて、傍観者でいればいられたのに敢えて渦中の当事者になってしまう。その恩に報いるために。
十分自分の「分をわきまえている」ギョンスは、絶えず葛藤するが、結局、自身の良心に従って行動する。自分と弟の身が一番可愛いのは当たり前だが見捨てられない。
誰が味方で誰が敵か、ギョンスがどう切り抜けるのか、伏線もありハラハラどきどきで、知らず知らず力を入れてしまい肩が凝りました。
盲人を「目撃者」としてどう信用させるかという面白さもある。
不審死するのがわかっているので、世子の人徳者ぶりが悲しくなる。
王が自分の地位を脅かすからといって実の息子を謀殺しようとする感覚に大きく違和感。主に中国に対する方針で意見が対立していたからというより、王の地位への執着がそうさせたよう。りっぱな後継者候補はライバルでしかないようだ。
私が日本人、というか家の存続第一という徳川家の統治に慣らされているからでしょうか。
命をかけた告発が握りつぶされ手を貸した世子の妃は汚名を着せられたまま処刑、残された皇子も島流し。そしてギョンス自身も、という騒動の結末がもやもやしたが、それで終わらせないからこそ、史実に出ないところを創作して見せるフィクションの意義あり。
仕事人だよね。韓国の梅安。
悲劇を未然に防げず、起きた後の復讐のみで結局もやもやが残るところも「仕事人」です。
偉い人たちには一庶民など虫けらのような存在だろうが、虫けらにもヒトとしての魂がある。侮るなかれ。
タイトルの「梟」、なるほどと思いました。
光と闇
仁祖王朝時代の世子怪死事件。
盲目の鍼師ギョンスが宮廷内の陰謀に
巻き込まれていく。
王朝内で仕える人々は見てみぬふりを
せざるおえない権力者の象徴と裏切り。
史実サスペンスながら疾走感溢れる映像美。
光と闇に翻弄されるギョンス。
暗闇の静けさの中駆け巡る姿は梟、そのもの。
最後、故郷の弟の姿を天に想像する
ギョンスの表情は切なかったが良かった。
涙腺も緩む。
凄まじい緊迫感があり、視聴者側も五感に
針を刺されたような麻痺状態に陥る。
見応えあるサスペンスキラー映画でした。
朝鮮王朝の闇に舞う一羽の梟
実際に起きた史実の中で架空の主人公が一人窮地に立たされ奔走する。17世紀、明清交替の時代、朝鮮王朝は清の軍による侵攻を受け(丙子の乱)降伏した後、人質となっていた世子が帰国するところから物語は始まる。
いまだその地位に固執する時の王仁祖は清の属国になり下がったことが受け入れられない。しかし朝鮮王朝が生き延びるには清に従うほかはない。息子であるソヒョン世子のそんな意見に耳を貸すどころか、自分の意に沿わぬ息子を毛嫌いした王は彼の暗殺を命じる。それは感染症を装って秘密裏に行われたはずだった。しかし、その暗殺を間近で目撃した一人の鍼医がいた。
ギョンスは優秀な鍼医ゆえに宮廷で仕えることができた。そして彼は盲人であった。だが、盲人といっても全盲ではなく、闇の中のかすかな光を頼りにものを見ることができる昼盲症であった。しかし周りはそれを知る由もなく、またそれはギョンスにとっても都合がよかった。
盲人であることから周囲は彼を蔑み、そして侮る。それはこの絶対君主制の時代において身分の低い者にはハンディでありつつも利点でもあった。盲人は権力者にとってはけして脅威にはならない、それ故に目を付けられることもない。卑しい身分の者がこの世界で生きていくそんな処世術をギョンスは肌で感じ取り身に着けていた。
実際、彼は女官の施術まで任された。盲人ゆえに女官も彼の前では躊躇なく肌をさらす。だからこそ彼は暗殺の片棒まで担がされることになる。
御医による暗殺を目の前で目撃したギョンスは世子嬪に真犯人を告発するが、王に刺した鍼の震えから黒幕が王であることを悟り、窮地に立たされることとなる。王がすべての黒幕であるならば、たとえ真実を訴えたところで黙殺され逆に抹殺されてしまう。絶対君主制の世ではそれは自明の理であった。
今までうまく立ち回ってきたギョンスは決断を迫られる。今まで通り見えないふりをしてやり過ごすのかあるいは。そして彼は生き残りをかけてそして王の陰謀を暴くために戦うことを決意する。
証拠となる王直筆の書面を手に入れたギョンスであったが、頼みの綱だった領相に裏切られてしまう。絶望の中、彼は王の面前で王の陰謀を暴露する。
結局、陰謀はもみ消され、世子嬪は自害を強いられ、子は島流しに。ギョンスもまた斬首の刑となる。しかし、なぜか彼は生き延びる。そしてその四年後、彼は王に復讐を果たす。
朝鮮王朝で起きた世子の謎の死。その史実に架空の人物である盲目の鍼医を創造し、見事な歴史サスペンスを創り上げた。
主人公ギョンスは架空の存在であるがゆえにその扱いはご都合主義的だ。だが、それでいいのだと思う。本来ならば彼が斬首されて終わるのが筋だ。しかし、そうとはせず彼を生かし、王に復讐を果たさせる。ここに作り手の強い思いが感じられた。
現実社会では今でも時の権力者に逆らい事実を告発することは難しい。人事権を握られた役人たち、忖度を強いられるマスコミ。みなが見て見ぬふりを強いられる社会。権力者は言う、有権者は眠っていろと、盲人であり続けろと。
それでも勇気をもって真実を伝えようとする人々がいる。昼盲症のギョンスは完全な暗闇の中では見ることはできない。暗闇の中のかすかな光を頼りにものを見る。現実社会社において勇気をもって真実を伝えようとする人々はこの世の闇を照らすかすかな光だ。そのかすかな光を頼りに盲人に成り下がってるこの世界の住人たちがものを見ることができるようになればいいと、そんな願いがこの作品から感じられた。
殺されるはずだった唯一の目撃者をあえて生かした作り手の意図はそんなところにあったんだと思う。
ちなみに本作の前日譚にあたる丙子の乱を描いた「天命の城」は韓国時代劇の中でも出色の出来で鑑賞を強くお勧めしたい。
2時間ヒヤヒヤしていました
予告を観て「面白そ〜」とも思い「韓国の歴史全然は知らないから、分かるかな〜」とも思いました。少し不安でしたがいざ観てみると歴史を知らなくても全然楽しめました!
前半の方は宮廷の日常のような感じで、それぞれのキャラクターの関係性が分かりました。前半の終盤ぐらいから、「あれ?なかなか面白い部分が始まらないな」と思ってきたぐらいで、一気に緊張感MAXに。
そこからはとても面白かったです。
特にポスターのシーンはめちゃくちゃ良かった!
ラストの終わり方もとても好きでした!
ストーリーが良過ぎる(о´∀`о)
実際にあった史実を下に架空の盲目の医師が巻き込まれていくサスペンスだが、これは見ていて非常に面白かったヽ(=´▽`=)ノ
主人公ギョンスは、盲目でありながらも鍼医として天才的なスキルを発揮すると念願の王宮入りを果たす。晴れて王に仕える身となってから内科院に勤める鍼医として忙しい日々を送るのだが、次第に盲目ではなく、明かりのある時だけが盲目になり、暗闇になると視力が回復するという病であることが次第にバレてしまうと、王の息子であり世継ぎ候補であった世子が謎の死を遂げてしまうのだが、この死には不可解な点があった。
最初に感染病ならば、どうして出血の痕跡があるのかを先ず怪しんでからの毒針により世子は毒殺されたのではないかと踏んだギョンスは、息絶えたと知った瞬間にひょっとしてと思いもう一度世子が眠る部屋に入ると、頭に毒針が刺さっていることに気付くと、サッと毒針を抜き退散しようとした際に足を棚に引っ掛け足を負傷してしまう。
最終的に犯人の正体が分かり、ただただ結末が恐ろしいなあと感じて終わるかと思いきや、そこは上下関係に厳しい韓国の社会そのものを風刺している内容であり、結局は権力を持つ人間に対しては反旗を翻す事もできず、ただただ時間の経過と共に島での生活を過ごしていた時に危篤の情報が舞い込むと待ちに待っていたとばかりに最後は治療に当たるが決して毒をもって毒を制すことはせず真っ当に治療に当たるも最後は亡くなってしまう。
死因が感染病だったというのも皮肉ながら、権力を持つ人間の権力に対する執着心の恐ろしさは言うまでもないだろう。
一部が実話でストーリーの大半がフィクションではあるが、非常によく構成されていて、韓国歴史をあまり知らない私でさえも見ていてめっちゃ面白いと思った。映画を見終えた後に何回も有料のパンフレットを見ては、映画で触れられていた世子の怪死事件についても学ぶことが出来てとても良かった。
テンポの良いサスペンス
韓国の宮廷物は登場人物は多いわ関係性は複雑だわ、おまけに官位や名称がよくわからんわで、Netflixのドラマでは今までに何度か挫折してます。でもその私がラストまでぐいぐい引っ張っていかれたし、人物相関図も何とかぐちゃぐちゃにならず済みました。
といって、単純な話なわけではまったく無く、老いた王と世子の対立に絡む陰謀、その中で起きる暗殺事件の唯一の目撃者が盲人の鍼医・ギョンス。しかも鍼の腕を買われて宮廷に勤め始めたばかりのギョンスには、誰にも明かせない秘密があり、それが露見しないよう振る舞わねばならない。しかも暗殺者の謀によって、目撃者ではなく暗殺の容疑者に仕立てられたため、どう行動するか、誰に打ち明けるべきか、ひとつ選択を誤れば命が無い、という詰んだ状況。
ギョンスは、心臓に持病を持つ幼い弟をひとり故郷に残しており、彼のために何としても無事に帰らなくてはならない。鍼医としての矜持もあるが、弱者が身を守る術として身につけた「見ぬふり、知らぬふり」や時に嘘もつく臆病さも併せ持つ。しかし、不遇な若宮を見捨てられない情の深さや、不正を憎む心、恩義には報いたいという忠義な心根があり、それが彼をどんどん窮地に追い込んでいく。最後まで緊張感が持続する、筋立てもテンポも良い作品でした。ギョンス役の俳優さん、すごく良かった。複雑な人物像がはまってました。
あと10分くらい長くていいから、盲人のギョンスが宮廷でいかに根を下ろして認められていくかの過程を、もう少し丁寧に描いてくれてもよかったかなぁという気もするけど、観てよかったです
解説聞くのは見たあとで
映画見る前に解説聞いててすごく見に行きたくなったのだけど、ネタバレなかったけども展開がわかっていたのでいまいちのれなかったなー
盲人だけど夜は目が利くという限定的な設定
が玉虫色な日和見性分な世間を隠喩している
ところがこの映画の肝かな。
テレビ時代劇レベル
『梟』主人公は、盲目の鍼師、だけど暗闇ではかすかに見える、このあたりが謎解きの付箋なんですが、物語がありきたりで、お茶の間時代劇の域をでない。わざわざ時代を遡ってセットにもお金をかけて、そこに人間の性が映されないと、無駄な出費に担ってしまう。
時代劇を見たくなる理由
歴史上の人物なら、ある程度定まった評価があり。
だけど、作品では、違った方向から考察してみたり。
新たな解釈があったり。
それを通して、作品としての存在価値が出てくると思うのですが。
今回の内容は。中国清の時代の韓国のお話。
その韓国の王は、高齢で、そこに清に人質だろうか、取られていた息子夫婦と孫が戻ってくる。
そして、覇権争い。
謀略渦巻く朝廷。
その息子が、何者かによって殺害される。
その殺害の現場にいて、犯人を知ってしまった盲目の針医。
その彼が、主人公。
今ひとつはっきりしない王子殺害。
実の父が、黒幕なんだけど。
なんで、病弱、老い先そうながくなさそう。
いかにも人の良さそうで、分別ありそうな息子。
息子に家督を譲って楽隠居とならないのか。
そんなに、王位に執着があるのか。
このあたりが、よくわからない。
王の妾にそそのかされたのか。
あるいは、清に色濃く染まった息子に家督を譲ることは、やがて清に滅ぼされてしまうと考えたか。
もう先の見えた老人に、そんなに覇権に執着する理由が、見えてこない。
このあたりが、この作品に深みを感じない理由。
たとえ時代劇でも、人間が描けていれば
そう、人間の根源的悩み。
欲望、嫉妬。
ありとあらゆる人間臭さが描かれていれば。
時代劇だろうと、現代に通じるだろうし。
過去の時代をわざわざ持ち出すのだから、ただの歴史教科書では意味がない。
この作品は、残念ながらそこまで掘り下げられなかった。
お茶の間時代劇の延長で終わってしまっている。
この作品は記憶に深く刺さった!朝鮮王朝実録史に残る 怪奇死した王子の謎に迫る
梟・・・フクロウ~の野生の鳴き声聞いた事あるかな。夏に深夜窓開けてると森からホッホゥホッホゥ~ 聞こえて来るねんよw(自然界に面した住まいなもんで) 夜行性らしいけど、昼間も目は見えてる、夜は獲物狙うしもっと見えるらしい。そういや昔、木の枝に黒い影・・・見た事あるな。
そんな習性を主人公に准えた作品、今日は「梟ーフクロウー」の鑑賞です。
監督:アン・テジン氏
(MC)
インジョ(王様:仁祖):(役:ユ・ヘジンさん)
ソヒョン昭顕世子(毒殺される王子)(役:キム・ソンチョルさん)
ギョンス (盲目の鍼医)主人公:(役:リュ・ジュンヨルさん)
上映:118分
兎に角、本は素晴らしい 良く出来ていると思う。
目が見えないが天才的鍼医として貧しい乍らも誠実なギョンス。両親はおらず弟と二人で暮らしている。目が見えないが耳が極めてよく、或る時 盲目だが凄い鍼医として認められ宮中へ使えるようになる。
最初全く目が見えないとばかり思っていたが、実は暗闇では僅かだが見えるのだ。
ここの最初の場面表現が凄く良かったし ドキッとさせられた。この暗闇なら何とか見えるって設定が非常に良い。凄い演技力が試される役柄でもある。
どうしても 目と言うのは見えてしまうと一瞬でも瞬きをしてしまう。これを感情と一緒に抑えなくてはならない為 相当な演技の力量が求められる。
リュ・ジュンヨルさんは中々素晴らしい俳優だと感じた。
昭顕世子の前で 最初は上手く盲目をやってのけたが、鍼箱の位置を変えられた後、気を許してしまい とっさに鍼箱の方へ手が向いてしまった。目が見える事を世子に悟られる場面。しかし ギョンスは心の底から誠実に対応しその理由を詫びると その事を許し口外しない世子の対応にも非常に好感と信頼を感じる。
また、暗闇で僅かに見える事で弟に宛てた手紙の文字が汚いのを見て 拡大鏡を彼に渡す世子。この事がきっかけで ギョンスは世子の為に命を懸けてお守りする意思を強く持つのである。ココの展開流れは非常に重要でかつ良かった。
王から世子の毒殺を命じられた宮廷医長。何も知らないギョンスと二人っきりで毒鍼を世子へ打つのだが、ロウソク明かりの元ではギョンスはどの様な処置がなっているか分からない。やがて暗闇となり毒鍼が打たれる。意識が遠退く世子、暗闇で異変に気が付き自分の遣っていることが治療ではなく毒殺の手伝いをしている事に気づくギョンス。事が終わりロウソクに明かりが灯り ギョンスの目に世子の最後のお顔が幻の様に目に残り消えていく~ ココの展開描写場面は非常に良かった。此の上無い想いをしました。
その後、いかにしてギョンスは恩人世子の復讐を果たすのか。
世子の息子の涙ながらの願いも 何も出来ないのだけど弟の願いかとダブらせて感じたギョンスがスッごく良かった!ここの場面も胸にグッときましたわ。
そして 命がけの世子の妻(世子嬪)の告白。手に汗握る思いがしましたね。結局上手くいかず 逆上する王が横にいた女官尚宮に毒を飲ます所・・・あそこも中々な場面。
終盤辺り、ちょっと尺が足らず駆け足展開気味に成ってしまっているのがとても残念でしたが、3時間巨編でシッカリ見せてたら中々の感動大作だったであろうと思います。
韓流時代劇ドラマ配信をまぁまぁ見てたんで、色々な流れや役職名理解が有った為 結構楽しめました。ちょっとその辺りの王朝の縮図や力関係の背景理解が無いと面白さが分からないかもです。
こう言う時代劇が邦画にも有ったらなと感じますね。
韓流時代劇が好きな方、ご興味ある方は
是非 劇場まで足をお運びくださいませ。
七つの穴。。。。。。。
韓国映画は絶対観たい!
予告もインパクトあったし、大好きなユ・ヘジンが出ている!
公開日に合わせスケジュールを組んでいたのに、子の学級閉鎖で全て流れた(°▽°)
エリセもハンバーガーピクルスも無理そうで号泣。ウチはみんな無敵だから良し。。と気分を変え、、られぬ。。
(皆さんも気をつけて)
そんなこんなで、遅ればせながらレイトショーで鑑賞。
とはいえ、
朝鮮王朝時代とかニガテなんです。
宮廷の歴史とか。。むずい。。
そして史実に残された「怪奇の死」にまつわる歴史的な謎が題材になっているそう。
だが、知らない。。( ̄∇ ̄)
韓国ではよく知られた史実なんでしょうかね??('◉⌓◉’)
そこに「盲人」という主人公を据えて描かれたサスペンス・スリラー。
「見える」人間が見た事に口を閉じ、
「見えない」人間の「はず」の彼が目撃した真実を、いかに証明し、暴くのか。
ギョンス(リュ・ジョンヨル)の秘密と共に明かされていく世子の死の真相。
暗闇を奔走するギョンスの緊張感が伝わってきて息が詰まる。
ギョンスが「見えている世界」を追体験している感覚になり、こちらも目を見開いてしまう。
世子がかけてくれた恩を胸に、彼が真相を叫ぶとき!
あまりにも大き過ぎる黒幕に立ち向かう姿、二転三転する展開に終始目が離せません!
史実に忠実に描いたからなのか、若殿の島流しや世子の妻の死罪には心が痛んだ。
バットエンドはイケるくちだが、今作では、どーしてもギョンスには幸せになって欲しかったので。。
ラストの必殺仕事人はちょっぴりスカッとしました。
いつもと違った役所。
ユ・ヘジンの仁祖。何としても王の座にしがみつきたいその執念!
人相が顔に出ていて、嫌いになりそうだった。
老害( ̄∇ ̄) 怪演です!
そして、盲目の鍼灸師ギョンスを演じた
リュ・ジョンヨル。彼の熱演あっての本作でした。
ギョンスが背負っているもの、守りたいもの。葛藤が伝わってくる。
一度は弟の元に帰る選択をしたギョンス。
しかし若殿の命を守るために引き返す。
自らの弟と同じ歳の若殿に弟を重ね合わせ、見捨てられなかったのだろう。
気持ちを奮い立たせ、戻る彼に強い覚悟を感じた。
生きる為の処世術を捨ててまでも、世子、若殿の為に真実を暴こうと変わっていく姿が特に印象的だった。
他にも、必死で身につけた鍼灸師としての腕を武器に、立ち向かう姿にも胸を打たれた。
ギョンスという人間に命が吹き込まれた素晴らしい演技でした。
それにしても韓国は映画作りが上手いですね。
本作も、エンタメとしての要素がたっぷりで、終始飽きさせない作品に仕上がっておりました。
手がけたのは、これが長編デビュー作となるアン・テジン監督。
新人監督にしてこの実力!
層が厚い事にも驚かされます。
今後も韓国映画には楽しませてもらえると、期待しかありませんね♪
期待度○鑑賞後の満足度○ 李氏朝鮮王朝物はドロドロ劇に事欠かないので手を変え品を変えて何度もTV化・映画化。本作は主人公を盲目の鍼師にしたのが新味。サスペンスドラマとしては良い出来。
①一時期、韓流歴史ドラマ(お気に入りは『イ・サン』と『トンイ』)にハマっていたので李氏朝鮮王朝の本は結構読みましたわ。
本作は有名な仁祖の世子急死事件が題材。本作における真相は通説通りにしてあり、主人公が謎解きするわけではなく、それを目撃しただけなのでミステリーという点では意外性はないが、主人公を腕が良いので王族の掛かり付けになった盲目の鍼師にして一捻りしている。
②
両の目で見えたのは…
多士によりレビューされている通り、評点通りの面白さだ。
いきなり本編とは関係無い切り口だが、作品の準主役の、史実上も悪政で有名な仁祖国王。この時代、かたや日本では三代将軍 徳川家光が日光東照宮を造営。建物に数多ある、天下泰平を象徴した彫刻のうち「三猿」はあまりにも有名で、悪事を見ない・言わない・聞かない方が良いとされる仏教信仰の現れと伝わる。
この作品は、儒教的信仰心に生きる若者が自らの道徳を『思いっきりブチ破る』なんとも不届きな爽快感を味わえるものだった。
他士が語られていたが、物語の前半と後半はかなり異なるエネルギーに感じた。前半は正しく大河ドラマのそれであり、期待したものとの乖離が大きく、私もかなり呆気に取られた気持ちで見ていた。
この作品の真の面白さは後半戦。主人公の盲目の特性や、置かれた環境、周囲の人物など、すべての意味合いが机上のチェス盤がごとく駆け引きされていく。
決して先の読めないものではないため、スリリングさは多少削がれていたものの、緊張感を高めるサウンドトラック効果も相まって一気にクライマックスへ向かい、気がつけば2時間、あっという間に終演になだれこむ。こういったリズムは、さすが韓国映画。
ならではだと思った。
暗黒の世界に見えた悪をみたギョンスが、仁祖国王に最後に見せたものは正義か。
そしてこれは何かの意味を込めて作っているはずで、答えを知りたいのだが…何か起きるのはすべて左眼だ。本国のポスターを見て確信したのだが。
上手いなぁ。韓国大河サスペンスの傑作。
手に汗握る後半の展開
韓国映画、しかも韓国で大ヒットモノの輸入ということで期待大の状態で鑑賞。
客層は中年以上の方が多く、女性割合が思いの他高かったです。(韓国モノだから?)
前半は、割と退屈でした。時代背景や主人公の背景説明が淡々と進みます。(隣のオジサンは寝ていました)
但し、この前半の説明は後半への伏線だったりします。
後半は、手に汗握る展開が進みます。
にしても、韓国映画って「見せ方」がウマいのなんの。光の加減や顔をアップにするタイミングなど、臨場感の出し方が本当に上手。
パラサイトと比較するとパンチ力はやや弱いですが、それでも満足の行く鑑賞となりました。
※パラサイトの彼は存在感抜群でしたね笑
主人公の意外さ
日本映画『みえない目撃者』は、韓国映画『ブラインド』のリメイクだったが、実際にみえない目撃者であった。しかし、本作の主人公のギョンスは、みえることもあり、そのことを隠す必要もあったり、みてみぬ振りをしたりして過ごすこともあったが、後半ではあえてみえる能力を発揮して大立ち回りをする。昼盲症という症状は、実際にあるという。『正欲』の水フェチよりは説得力を感じる。しかし、杖の突き方は、『天上の虹』同様、現代風で、『山のあなた』=『按摩と女』での突き方に近い方が良いのではないかと思う。
韓国の歴史ドラマには凄い作品が多く、ソウルの宮殿も見学に行ったので、馴染みがある。皇太子妃が可哀想だった。ギョンスは、弱い立場とは言え、罪を被せる役目を担ってしまった。最後は潔かった。また、4年後の報復は、『必殺仕置人』『隠し剣 鬼の爪』のように鮮やかだった。そのときは盲人ではない名医として訪れたのだろうか。
「ファクション」という種類があるらしいけれども、事実にインスパイアされたという言い方で、脚色で設定も大きく変えられた作品というものは、これまでにも多々あったのではないか。
正しい映画
韓国の映画、ホントに面白いね。
スケールの大きさ、実際の歴史上の人物を描くからには必須の史実とのバランス、エンタメ度、すべからく隙がなくて、ほんとに何の疑いもなく映画の面白さに身を委ねられる。
そういう昨今連発されている、良質のコリアン大作映画の一つ、その中でも特級のレベルの高さを感じる今作なのですが、あらためて思ったのが、映画の根底に流れる価値観というか感覚というか、それの正しさですね。
文字にするとどうしても嘘くさく薄っぺらに見えてしまうのだけど、要するにまあ、正義、というやつです。
人としての正しいのはこういうことなのだ、という感覚。
結局のところ、人間のドラマを描く映画というもの、それが本当に面白いと思えるように作ると、結局そこに帰結するということかとしれない。
これは映画に限らないかもしれないですが。
それが、近年公開される韓国の素晴らしい映画たちには、ちゃんと入っていると思う。
どれも外さず大事なところを押さえている。
だから胸を打つんですよね。
今作でいうとあの、主人公がなんとか危険を乗り越えててようやく門を出ようというときに、若様が殺されるかもしれない、と思い起こして門の中に戻っていく。
あの、視線の先にある安全な暗闇が映って、そこに主人公の逡巡が込められている場面。
それを振り切って自分のなすべきことをなすために危険の中に戻っていく。
本当に感動しますよね。
同じような場面として思い出すのは、エイリアン2でリプリーが、今まさに脱出しようというところで、少女の助けを呼ぶ声を聞いて引き返す場面です。
これはもう、なんというか人間の持つ普遍的なもので、人の心に響く作品の持つ資格みたいなもんだと思います。
それをこの作品もまた、持っている。
そこそこ年配の人なら覚えているかもしれないけど、淀川長治さんが日曜洋画劇場の解説でたびたび言っておられたことがそうだと思います。
ハリウッドの娯楽大作の中にも、どこかしら外してはいけない人間としての大切な価値観が描かれていて、だからこそ映画は信頼できるのだという。
近未来の学校の荒廃を舞台にしたSF映画(タイトル忘れた)にも、ヘレン・ケラーが言葉を獲得するまでを描いた古典的名作「奇跡の人」と同じような、教育に対する真摯な視線があるということ。
ETを初めて見た少年が、不気味な生物として毛嫌いするんではなく「おいで」とするのは、移民の国アメリカの大事な基礎で、それはメン・イン・ブラックの中にも確かに見えるということ。
そういう本当に感動できる映画には必然的に備わっている正しさが確かにこの映画にもあって、、まあその、この映画についての具体的な情報の何一つないレビューになってますが(笑)、要するにそうした芯のところに確かな価値観が感じられる、文句なしの傑作です。
また一ついい映画見れたなー!という幸せな気分で映画館を後にしました。
闘う勇気
権力はいつの時代も非道です。身内だろうが何だろうが、昨日の味方は今日の敵。
本作はサスペンスではありますが、メッセージ性にも優れた作品でした。ギョンスはただの盲目の鍼灸師ですが、王政という権力と対峙しました。あの時、ギョンスはそのまま外に出ることもできたのに。宮廷に戻った時には鳥肌ものでした。ラストは悲しい結末だと思っていたのにちょっと意外。
このひとりの弱者の闘う勇気を描いたことも、とても韓国映画らしいと思います。緊張感溢れる作品で、あっという間に時間が過ぎていました。
主人公は、完全に盲目の方がよかったのでは?
事件が起こるまでのテンポの良さと、事件が起きてからの二転三転する展開にグイグイと引き込まれる。
特に、最高権力者が事件の首謀者であるという絶望的な状況で、生き延びるために奔走する主人公の姿からは一瞬も目が離せない。
主人公が、自らの特技を活かし、鍼を使って国王に左手で文字を書かせるようにしたり、世子からの助言を回収する形で「見て見ぬふり」をやめ、国王の陰謀を暴露するといった見せ場がしっかりと用意されているところも、よくできていると思う。
バッドエンドの結末にモヤモヤしかけていたところに、勧善懲悪の決着をつけているのもよい。
ただ、盲目の主人公が、暗闇の中でだけ目が見えるようになるという設定は、本当に効果的だったのだろうかという疑問も残る。
確かに、そうした設定がなければ、主人公が暗殺の真相を知ることはなかったのであるが、一定の条件下でも目が見えるというだけで、謎解きのミステリーや、逃亡劇のスリルが弱まってしまったように思えてならないのである。
完全に目の見えない主人公が、「音」や「匂い」だけを頼りに陰謀に立ち向かっていくといった物語にした方が、もっとハラハラ・ドキドキが感じられたのではないだろうか?
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